「座席鉄」が選ぶ乗り心地◎な鉄道車両シート5選 普通車でG車並み 秀逸ロングシートも

転換座席も乗り心地追求 「長時間座りたいロングシート」も!?

 近鉄5800系電車を皮切りに普及しているロング/クロス転換座席は、最近は特にかけ心地が改善されています。有料のライナー列車にも使われる京王電鉄5000系電車や東武鉄道70090型電車などに採用された座席は、体をしっかりとホールドする形状となり、長時間の利用でも快適なかけ心地となっています。

 着座の第一印象としては、これまでのロング/クロス転換座席に比べ建て付けがしっかりしており、座席の回転部分に生じるがたつきを感じません。形状もよく研究されており、座面が太ももをしっかりホールドし、体がピタッと座席に吸い付くような感じも好印象です。

 座席の向きにこだわらないのであれば、可動機構のない車端部の席がおすすめ。座席の幅が転換タイプとして用いられている席よりやや広く、座席が壁に固定されているので安定感もあります。なお、京王電鉄は2022年度に導入する5000系からリクライニング機構を追加するとのことで、こちらも楽しみです。

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阪神5700系電車の座席。かけ心地もさることながら、立客がもたれかかりやすい袖仕切りのデザインも秀逸(2016年11月、児山 計撮影)。

 関西の私鉄各社は昔から、座席の質を特に追求してきたと筆者は感じます。トルコが主産地であるアンゴラ山羊のモケットを採用した阪急電鉄や、ロングシートながら深々としたかけ心地を誇る山陽電鉄3000系電車など、おすすめしたい座席は数多く存在します。

 そのような中で最近感銘を受けたのが、阪神電鉄の普通列車向け車両である「ジェットカー」の最新型、5700系電車です。一部座席は短距離利用に特化した「ちょい乗りシート」が採用されていますが、それ以外の座席はつい大阪から神戸まで乗り通したくなるようなかけ心地です。

 座面は奥行きを450mm(実測値)と深く取り、床面からの高さも400mm程度と、体重が臀部にまんべんなくかかる構造。さらに端部の袖仕切りがやや湾曲しており、着座している人にとっては簡易なひじかけに、立っている人にとっては簡易な腰かけになります。座っている人も立っている人も疲れにくい設計です。

【写真】今はなき浅く硬い座席

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コメント

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4件のコメント

  1. この際、7人掛けロングシートもスタンションポールでの2・3・2分割じゃなくて、パーティションとヘッドレストとバケットクッションでの1・1・1・1・1・1・1分割にしてしまえ。(運賃に転嫁されるなあ)

  2. どう座ったら座り心地が良くなるのか全くわからない例もある。
    西武20000系の座席はどういう座面の設計をしているのか、深くかけても浅くかけても坐骨に全体重が集中するので、15分も座っていれば尻が痛くなる。ああいう設計は論外。

  3. なんで京阪8000系のソファー感なロングシートや手触りが心地いい3000系のシートも紹介してくれないんだろう。

  4. 日本人は尻を前にずらし、背もたれを目いっぱい倒して寝そべる様な座り方をする。
    自動車でもそうだけど、そういう姿勢で座る人が多いから作る側もそういう椅子を作る。
    正しい着座姿勢云々以前に、まともに座れない椅子が多いんだよね。
    そんな中でも自分がまともな椅子だと感じたのは、キハ85系(3列)/261系/787系/E4系の各グリーン車と、E5系グランクラスの椅子。