「座席鉄」が選ぶ乗り心地◎な鉄道車両シート5選 普通車でG車並み 秀逸ロングシートも

「疲れない座り方」お教えします

 新交通ゆりかもめの7300系電車や、埼玉新都市交通ニューシャトルの2020系電車などに採用されている次世代シート「G-Fit」も忘れてはいけません。背もたれに15度の傾斜を持たせ、U字型に湾曲した座面は体重をしっかりホールド。座面高さもちょうどよく、長時間乗車でも疲れにくい座席です。惜しむらくは採用が、開発元である三菱重工製の新交通システム車両のみにとどまっている点でしょう。

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JR東海211系電車の座席。上から見ると座面奥行きの深さが分かる。バケットシートのホールド感も良好で、長距離利用にも配慮した座席(2014年11月、児山 計撮影)。

 315系電車の登場によって引退のカウントダウンが始まったJR東海の211系電車5000番台のロングシートは、数あるロングシートの中でも長距離利用に配慮した座席となっています。

 座面は奥行きがあり、さらにバケットシート(座面が平面ではなく、左右のへりがやや高くなったシート)の深さも程よくホールド感は抜群。211系は国鉄で初めてバケットシートを採用した車両でもありますが、初期の座席とは思えないほどの高い完成度といえるでしょう。通勤ラッシュ輸送と、名古屋~中津川間や静岡~浜松間といった長距離利用を両立させるために考え抜かれたデザインを堪能できます。

 さて、鉄道車両の座席を快適に利用するには、座席の性能もさることながら「疲れない座り方」を実践することも大切です。具体的には座席の奥深くまで体を落とし込み、足を組まないで体重が下半身に均一にかかるように腰かけます。

 リクライニング機構がある場合は最後まで倒さず、10~15度程度に。大事なのは上半身の体重ができるだけ均等に座面にかかるよう、体を座席に密着させることです。

 言い換えればこのような座り方をした時、違和感なく体が座席にぴったり密着すれば、かけ心地に優れた座席といえるでしょう。

【了】

【写真】今はなき浅く硬い座席

Writer: 児山 計(鉄道ライター)

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

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4件のコメント

  1. この際、7人掛けロングシートもスタンションポールでの2・3・2分割じゃなくて、パーティションとヘッドレストとバケットクッションでの1・1・1・1・1・1・1分割にしてしまえ。(運賃に転嫁されるなあ)

  2. どう座ったら座り心地が良くなるのか全くわからない例もある。
    西武20000系の座席はどういう座面の設計をしているのか、深くかけても浅くかけても坐骨に全体重が集中するので、15分も座っていれば尻が痛くなる。ああいう設計は論外。

  3. なんで京阪8000系のソファー感なロングシートや手触りが心地いい3000系のシートも紹介してくれないんだろう。

  4. 日本人は尻を前にずらし、背もたれを目いっぱい倒して寝そべる様な座り方をする。
    自動車でもそうだけど、そういう姿勢で座る人が多いから作る側もそういう椅子を作る。
    正しい着座姿勢云々以前に、まともに座れない椅子が多いんだよね。
    そんな中でも自分がまともな椅子だと感じたのは、キハ85系(3列)/261系/787系/E4系の各グリーン車と、E5系グランクラスの椅子。