旧海軍空母「加賀」誕生はほぼ奇跡? 廃艦寸前から大転身・大改装の歩み

旧日本海軍の大型空母「加賀」。太平洋戦争前半の日本空母部隊の中心的存在として勇戦した艦は、実は国際条約の影響で廃艦寸前になったことも。もしかしたら客船にも転用されていたかもしれない軍艦が復活した理由を見てみます。

実は使い勝手が極めて悪かった「加賀」

 空母に改装された「加賀」は、初期案では「全通飛行甲板」「直立煙突」「12cm高角砲と14cm主砲を装備」といった内容も検討されたようですが、最終的には「三段式飛行甲板」「艦尾までの誘導煙突」「20cm主砲」を備えて完成しています。

「三段式飛行甲板」は、搭載する艦載機の着艦と発艦作業を飛行甲板ごとに分けるためでした。当時の着艦制動装置は確実性に乏しかったため、着艦甲板を他の甲板と分け、長い着艦距離を取る方が、安全かつ合理的と考えられたからです。

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旧日本海軍の空母「加賀」(画像:アメリカ海軍)。

 1段目(一番下)と2段目(中)の飛行甲板は格納庫と直結しています。1段目は雷撃機や偵察機の発艦専用、2段は戦闘機の発艦専用甲板でした。3段目(一番上)の飛行甲板は着艦専用でした。こうすることで、甲板を発艦と着艦で使い分けられると構想したからでしたが、現実には2段目甲板の前方には主砲塔があり、狭くて発艦は危険なので、2段目甲板は短期間で使われなくなりました。

 加えて、後に制動装置が改善され、確実に短距離着艦ができるようになったことで艦載機の発艦エリアが確保できたことや、航空機が進歩して発艦距離が長くなったことなどから、大改装時に全通飛行甲板に姿を変えています。

「艦尾までの誘導煙突」は、煙突からの排煙が艦載機の着艦を妨げないようにするために生まれた工夫でした。しかし、煙路が艦の中央から右後方へと大きく設けられたことで、様々な問題が生じたのです。

 たとえば巨大な煙路による重量および艦内容積の減少、搭乗員や準仕官の居住区が排煙の高熱で居住に耐えられなくなる問題、さらに艦尾から出る排煙が気流を乱すことによる、航空機の着艦への影響などです。排煙の温度を下げようと、海水シャワーで冷却する機構を設けるなどしたものの、大きな改善が見られなかったことから、大改装で下向き煙突に改められました。

【写真】「加賀」と似た運命をたどった空母

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