「日本の軍艦輸出しよう」…なぜ全然売れない? 性能だけでは× 鶏肉買って輸出した国も

日本の防衛装備品を輸出する方針を政府が打ち立ててから7年が経ちましたが、思うような実績を挙げられていません。インドネシアへの軍艦の提案も実を結びませんでした。なぜ売れないのか、日本はふたつの理由で不利といえます。

鶏肉を買って輸出したサーブ 時期悪く…

 スウェーデンのサーブは同社が開発した戦闘機JAS39「グリペン」を、チェコ、ハンガリー、南アフリカ、タイ、ブラジルに輸出しています。

 サーブは南アフリカ空軍でグリペンが採用された見返りとして、同国に採用されたグリペンC/Dの 主脚収納部を含む中央胴体などの製造を、南アフリカの航空機メーカーのデネルに、通信装置の製造を同国の通信機器メーカーのグリンテックに委託することで、利益を還元しています。

 また南アフリカ以上に大きな航空産業の基盤を持つブラジルに対しては、同国が採用したグリペンE/Fの機体の約80%を、ブラジル国内で製造して雇用を生み出すとともに、ヘッドアップ・ディスプレイやコックピットの大型液晶ディスプレイなどもブラジル企業に発注しています。

 南アフリカやブラジルほど大きな航空産業の基盤を持たないタイに対しては、スウェーデン政府がタイ産の鶏肉を購入することで、利益の一部を還元したようです。ただ購入した時期に鳥インフルエンザが大流行したため、スウェーデン政府は鶏肉の売りさばきに苦労したという話もあります。

 スウェーデン政府とサーブはグリペンの輸出にあたって、競合国の政府やメーカーよりも高い利益の還元を提案しており、チェコに対しては一般的に100%程度の利益還元率を150%%に設定し、それが輸出成功の大きな要因のひとつになったと言われています。

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タイ空軍が導入したJAS39「グリペン」(画像:サーブ)。

 現在の防衛装備品の世界市場は、品質や性能が高ければ売れるという、甘いものではありません。

 日本の防衛装備品の輸出に関しては国内でも賛否両論がありますが、輸出によって国内の防衛産業や航空宇宙産業の維持発展を図るのであれば、民間企業の力だけでは実現不可能な輸出国へのサポート体制の構築やオフセット契約を、官民一体となって提案できる体制づくりが必要であると筆者は思います。

【了】

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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コメント

2件のコメント

  1. だからまずトラックとトイレカーと洗濯機乗ってるやつと炊飯できるやつ売れよと

  2. 航空機だって安全保障の観点から国産しているものもあるけど海外から調達する倍ぐらいの価格だと聞くし。

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