むしろ「開かず化」懸念も 明暗ある踏切の自動化 流れを決定づけた手動踏切の事故
首相が踏切前の「一時停止廃止」まで持ちかけた
同じころ政府も「開かずの踏切」を問題視し、それが経済的な損失になると試算していました。都市部では「開かずの踏切」によって主要幹線道路で慢性的な渋滞が発生。渋滞はクルマのドライバーがイライラするだけではなく、無理な横断を誘発するといった事故のリスクを高めます。また、渋滞によって移動時間が長くなることによる経済的な損失も試算されました。
最近ではアイドリングストップなどの仕組みが備わり、停車中はエンジンが自動で停止するクルマも珍しくなくなってきていますが、当時は渋滞が環境汚染を深刻化させているという指摘もありました。
このように「開かずの踏切」は経済的にも環境的にもマイナスが大きいのですが、すぐには立体交差化できません。当時の小泉純一郎首相はすぐに実行できる対策として、「踏切の手前で一時停止をしなくてもいい」ように、道路交通法の改正を検討するよう指示したほどでした。
小泉首相の指示は、主にクルマのドライバーから賛同の声が多く寄せられました。しかし、警察庁が交通安全の観点から難色を示したこともあり実現していません。同時に鉄道事業者からも懸念が強く示されました。鉄道は安全運行を第一とします。事故が起きれば列車の遅延が発生するばかりか、その規模によっては車両や設備修復の必要性が生じます。つまり、鉄道事故は社会的な影響が大きいのです。
そして鉄道事故のうち約8割が、踏切およびその周辺で起きるといわれています。線路と道路が交差し、クルマや歩行者が行き交うわけですから当然といえば当然です。
悪いのは踏切であって手動式は自動で遮断するよりは比較的危ないですね。
それどころか未だに警報機すらない踏切がある。
踏切での一旦停止を義務としていない多くの国では止まれの交通標識で一旦停止させているとか。
また日本の事情で一旦停止をなくせば踏切の先が渋滞していることに気づかず線路にスタックしてしまうことも増えるでしょう。