むしろ「開かず化」懸念も 明暗ある踏切の自動化 流れを決定づけた手動踏切の事故
「開かずの踏切」は無いに越したことはありません。踏切廃止の気運は高まったり静まったりを繰り返しますが、高まるきっかけのひとつになったのが竹ノ塚駅脇での事故でしょう。ただ自動と手動どちらが良いかは一概にいえなさそうです。
「開かずの踏切」廃止の気運高めた事故
東京や大阪などの都市部、特に頻繁に列車が運行しているエリアにおいて「開かずの踏切」は、生活にも大きな影響を及ぼす問題です。政府・地方自治体・鉄道事業者などが「開かずの踏切」を解消すべく、踏切の廃止に向け取り組んでいます。
踏切の廃止とは、廃線を除き具体的に立体交差化を意味します。その機運はその時々の社会情勢によって、高まっては静まるを繰り返してきました。
気運が高まったひとつのきっかけに、2005(平成17)年3月に発生した、東武鉄道伊勢崎線の竹ノ塚駅(東京都足立区)に隣接する踏切での事故が挙げられます。同駅は普通列車のみが停車し、急行や準急は通過。優等列車が追い越しできる複々線区間になっています。加えて車庫への引き込み線もあり、回送列車が通過する際も長時間にわたり踏切が閉じます。ここの踏切は、地元で「開かずの踏切」として有名だったのです。
事故は長時間の踏切待ちに業を煮やした通行人が、踏切警手(東武鉄道では踏切保安係)に対して「早く開けろ」と迫ったことに起因。踏切警手は確認が不十分のまま踏切を開けてしまいました。踏切警手とは、主に交通量の多い踏切で踏切の開閉を手動で行う専任の職員のこと。昭和時代には各地の踏切で見られました。
この時、多くの歩行者が一斉に踏切を渡り始めました。その中には高齢者の姿も。そこへ電車が通過し、高齢者2人を含む計4人が死傷する惨事となったのです。「開かずの踏切」をわずかな時間でも解消しようとしたことが裏目に出た人為的ミスによる事故でした。
悪いのは踏切であって手動式は自動で遮断するよりは比較的危ないですね。
それどころか未だに警報機すらない踏切がある。
踏切での一旦停止を義務としていない多くの国では止まれの交通標識で一旦停止させているとか。
また日本の事情で一旦停止をなくせば踏切の先が渋滞していることに気づかず線路にスタックしてしまうことも増えるでしょう。