元祖は戦車ぽくなかった自走砲 足まわりの変遷 原点回帰する「大砲を楽に動かす努力」

陸上自衛隊の19式装輪自走りゅう弾砲は、大型トラックの荷台に砲を積んだ外見のいわゆる「自走砲」です。自走砲といえば戦車のような外見のものが主流かと思いきや、その元祖は、実は19式と同じタイヤで走る装輪タイプでした。

自走砲がどんどん戦車ぽくなっていった経緯

 18世紀当時は、大砲をいかに上手く使うかが戦場の勝敗を決することも多く、砲兵将校だったナポレオンは軽量化した大砲を素早く運べる騎馬砲兵を重視し、機動力のある火力として有効に活用しました。ナポレオンがキュニョーの蒸気自動車を認知していたかは分かりません。

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陸上自衛隊の主力火砲155mmりゅう弾砲(FH70)。小型エンジンを搭載し短距離なら自走も可能だが自走砲ではない(2020年5月23日、月刊PANZER編集部撮影)。

 内燃機関が実用化され本格的に自動車が製造されるようになると、すぐに大砲は自動車に載せられます。しかし、ただトラックに大砲を載せただけでは戦場の荒れた地面を走り回ることはできず、大砲の重さや発射の衝撃に耐えられる充分な車体強度が必要でした。そうして車体は頑丈で重くなり、悪路走破性に優れた装軌式(いわゆるキャタピラ)車体が使われるようになります。大砲を載せた装軌車ということで戦車と見分けにくくなりますが、戦車と自走砲は別物です。

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19式装輪自走155mmりゅう弾砲と基本同じ主砲を装備した99式自走りゅう弾砲。19式と比べても戦車然としているが、戦車ではない(2020年5月23日、月刊PANZER編集部撮影)。

 装軌式の自走砲は、従来の牽引式砲に比べれば製造も運用もコストが掛かります。第2次世界大戦ではコストを抑えるため、トラックやハーフトラックをベースにした自走砲も製造されましたが簡易急造品扱いでした。

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第2次世界大戦でアメリカ軍が使用したハーフトラックベースのT19 105mm自走榴弾砲(画像:アメリカ陸軍)。

 冷戦が終結して軍事予算が削減されると、装輪式自走砲が再注目されるようになります。無限軌道(いわゆるキャタピラ)よりタイヤの方が低コストというのは、戦車と装輪戦闘車との関係にも似ています。

【画像】世界最初の自動車による世界最初の自動車事故の様子 ほか

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コメント

1件のコメント

  1. キュニョーの蒸気自動車、発想が牛馬の代わりとなって砲を「牽引する」ではなく車体後半の荷台に砲を乗せるつもりでいたというのが面白いですね。

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