昔からあった「見た目そっくりでも別形式」 ちょっと懐かしい小田急と西武の場合
西武鉄道701系・801系・旧101系
西武鉄道の101系電車は現在も走っていますが、西武線で現役の車両は新101系と呼ばれる改良型のグループで、101系登場時のグループとはデザインが異なっています。
701系・801系・旧101系の3形式は、外観がよく似た車両として知られています。この3形式が同時に存在した頃は、車体側面の違いと車体塗装の違いで区別することができました。
701系・801系・旧101系は同じ前面デザインで、先述の551系と601系のデザインを基に、前面窓の上に行先表示器を備えたほか、前面を強化するべく前面窓の下にステンレスの板が付いていました。
701系は1963(昭和38)年、801系は1968(昭和43)年に登場。旧101系は1969(昭和44)年の西武秩父線の開業に際して登場しました。701系と801系は赤電の車体色で登場したのに対して、101系はウォームグレーとレモンイエローのツートンカラーで登場しました。また、701系と801系では中間車でコイルばね台車を使用していた一方で、旧101系は空気ばね台車使用するという違いもありまでした。
さらに車体側面にも違いがありました。701系では雨樋の位置が低かったのですが、801系と101系は雨樋の位置が高くなり、車両基地の洗車機で効率よく洗えるように配慮されたのでした。
701系と801系は相互に連結できましたが、101系(新・旧とも)は701系や801系とは原則として連結することができませんでした。その理由は、西武秩父線の勾配区間に対応するべく、抑速ブレーキを新たに採用したからです。
その後、701系や801系は冷房化改造とあわせて101系と同じレモンイエローの車体色に変更。ドア部分は101系と同じステンレスの銀色となりましたが、レモンイエロー1色の塗装となったため、連結の可否の区別も可能となっていました。
ところが、後になって701系などとの連結対応工事を施した101系(新・旧とも)が登場。車体色こそツートンカラーのままでしたが、先頭部にある電気連結器カバーの色を黄色として、701系列との連結可能なことを示していました。
701系と801系は1997(平成9)年までに引退し、その後は101系がツートンカラーをやめて、レモンイエロー1色に塗り替えられています。なお、旧101系は多摩川線での活躍を最後として2010(平成22)年に引退しています。
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以上のように、小田急電鉄、西武鉄道の車両とも、形式によって細かな違いがありましたが、コツを掴めば一目で区別することができたのです。
【了】
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。
阪急電車はどうなるんだ?
5000のが末期に9000の発生品に取り替えられたのを除けば、ここで取り上げられているものの前照灯はシールドビームではなかった。
軌道線を除けば営業電車では最後の白熱灯のヘッドライトではないかと噂されてた。
小田急の3車種、顔は似てますが音は別物でしたね。
小田急では、他にも顔が平ら、側面が平ら、1枚扉の電車があった。