プロペラ邪魔だし穴開けよう WW2欧州戦闘機の「モーターカノン」ってどういうもの?

WW2期欧州の戦闘機には、機首のプロペラ部分の中心に機関砲の砲口を設けた、つまりプロペラシャフト(駆動軸)を筒状にし、そこに砲身を通しているものが見られます。なぜ、このような面倒をする必要があったのでしょうか。

「銃」から「砲」へ 空中戦闘の重装化が生んだ「モーターカノン」

 戦闘機が初めて戦場に投入された第1次世界大戦中、プロペラに弾丸が当たらないように、プロペラの回転に合わせて機関銃の発射を調整する「同調装置」というものが登場し、ひとまずはこの命中率の問題は解決します。

 やがて戦間期、戦闘機が金属製の単葉機になり、爆撃機なども重武装、重防御化が進むと、りゅう弾などを使える威力の高い口径20mmクラスの機関砲を備える必要に迫られます。しかし機首に大型の機関砲を備えると、同調装置の故障時、威力が強すぎるため、プロペラの破損以外にも致命的な事故を起こす危険性があるうえ、エンジンが邪魔でそこまで大型のものを取り付けることも難しい状態でした。加えて、プロペラの回転に合わせて射撃していては、せっかくの機関砲の連射速度を生かせません。

 そこで翼内に機関砲を搭載したものの、機首から遠いという問題がありました。翼内の機関砲は、照準の関係からパイロットから見て進行方向中央に弾が集まるように、左右に傾斜をつけて複数銃の弾道が一定距離で交差するようにしていました。つまり照準に、真っ直ぐ飛ばすのに比べ標的との距離の要素がより影響することになり、そしてもちろん命中率は落ちます。その解決策のひとつとして登場したのが「モーターカノン」でした。

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機関砲を通す穴の空いたDB605エンジン。Bf109の後期型などに搭載された(画像:Ssaco、CC BY-SA 3.0〈https://bit.ly/3DHZIps〉、via Wikimedia Commons)。

 モーターカノンにはこのほか、機体中央にあり重心が安定しやすいことから、大口径砲を搭載することができるという利点もありました。

 ドボワチン D.501に搭載され、世界へ大々的に宣伝された20mm機関砲イスパノ・スイザ HS.7/9は、モーターカノンという機構を世界中に認知させるとともに発展改良を進め、第2次世界大戦勃発当時の主力機モラーヌ・ソルニエ M.S.406まで、フランス空軍でモーターカノン搭載機の系譜が続くこととなります。

【写真】「かつお節」とあだ名されたP-39「エアラコブラ」外観

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