プロペラ邪魔だし穴開けよう WW2欧州戦闘機の「モーターカノン」ってどういうもの?

WW2期欧州の戦闘機には、機首のプロペラ部分の中心に機関砲の砲口を設けた、つまりプロペラシャフト(駆動軸)を筒状にし、そこに砲身を通しているものが見られます。なぜ、このような面倒をする必要があったのでしょうか。

日米は断念した「モーターカノン」

 しかし、狭いエンジンルームに大型の機関砲を押し込めるというのは、技術的に簡単ではなく、最初にモーターカノン搭載機を量産したフランスでは不調の多いものだったそうです。

 アメリカでも、エンジンを操縦席後部に置き、プロペラは機首のM4 37mm機関砲の砲身周囲に配したギアを介して回すという、外見はモーターカノン搭載機に似ていても中身は全く異なるP-39「エアラコブラ」が登場しますが、大口径機関砲と引き換えに鈍重な低性能戦闘機となってしまい、この分野には消極的になります。

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P-39「エアラコブラ」のパワートレーン。奥のエンジンからプロペラ軸がのびる。機首に砲口があってもモーターカノンとは構造が異なる(画像:国立アメリカ空軍博物館)。

 日本に関しては陸海軍ともに、プロペラの駆動軸を回すクランクシャフトを中心にシリンダーが放射状に配される形状の星型エンジンが主流でした。これは空冷に適した形状で、技術的問題から液冷方式のエンジンを積極的には採用できなかったという背景もあります。そして星型エンジンはその形状ゆえに、モーターカノン化は大変困難なものでした。

 陸軍では、輸入したD.501を参考にモーターカノン搭載機を試作したものの、量産はしませんでした。ほか、九七式戦闘機において星型エンジンのすき間に機関銃を通し、モーターカノンのような武装にする方法も試され、実用化されましたが、すき間を通す関係で口径が制限されるデメリットがありました。そして高出力化にともない星型エンジンが多段化された後年には、構造上機銃や機関砲を通すことがさらに厳しくなったため、考慮の対象外とまりました。

 海軍でも九六式艦上戦闘機のエンジンをフランス製の「イスパノ・スイザ12Xcrs」に換装し、モーターカノン化した機体を試験しますが、エンジンの調達困難などを理由に試験中止しています。

【写真】「かつお節」とあだ名されたP-39「エアラコブラ」外観

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