ミグ戦闘機を返り討ち! ご長寿爆撃機B-52「成層圏の要塞」は墜とすのもひと苦労

尻からロックオン 初の敵戦闘機撃墜

 アメリカはベトナム戦争中、敵対していた北ベトナム(現在のベトナム社会主義共和国)の首都ハノイを中心に、ベトナム各所を盛んに爆撃しました。これに対し、北ベトナムはソ連製地対空ミサイルSA-2「ガイドライン」や、MiG-21「フィッシュベッド」戦闘機などで侵入してくるB-52を迎撃していました。

 このような状況下にあった1972(昭和47)年12月18日、爆弾を投下したのち敵戦闘機の接近を伝える情報により帰投中であったB-52D爆撃機の1機(56-0676号機)、コールサイン「ブラウン・スリー」は、しばらくすると後方確認レーダーで追ってくる不明機を発見します。

 たった1機で急速に迫って来るMiG-21戦闘機を確認した同機の尾部銃手サミュエル・O・ターナー空軍軍曹は、巧みに尾部銃座の4連装50口径12.7mmブローニング機関銃を操り、レーダー照準で見事に1機を撃墜したのでした。ちなみにこれは、B-52の尾部銃座が実戦で敵機を撃墜した初の記録です。

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アメリカ空軍博物館に展示されているB-52D爆撃機の垂直尾翼下にある尾部銃座。50口径12.7mm機関銃を4挺備えていた(画像:アメリカ空軍)。

 続いて同年12月24日のクリスマス・イブには、B-52D爆撃機(55-0083号機)ニックネーム「ダイヤモンド・リル」の尾部銃手アルバート・E・ムーア空軍一等兵も、迫ってきたMiG-21を1機、レーダー照準で撃墜しています。

 なお、ムーア一等兵の戦果は、実戦において尾部銃座の機関銃を銃手が操作して敵機を撃墜した最後の記録とされています。

【一人で敵機と対峙】尾部銃座の操作席の様子

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コメント

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1件のコメント

  1. >>その戦果で彼はシルバースター勲章を授与している(画像:アメリカ空軍)。

    彼は、授与される側であって授与する側ではないよね。なぜ「彼は」、「授与している」という表現になっているのだろう。