ついに迫る! エアバスの異形貨物機「ベルーガ XL」とは? 巨大「白イルカ機」の細部に肉薄

「ベルーガ XL」はどんな飛行機なのか?

 エアバス社の工場はヨーロッパ各地に11か所点在しており、それぞれで各部分のパーツが組み立てられたのち、最終組立工場へと運ばれます。「ベルーガ XL」は、この工場間で旅客機のパーツを輸送すべく作られました。

 こういったパーツ輸送用の巨大輸送機がエアバス社で用いられるのは、「ベルーガ XL」が最初ではありません。この歴史は1970年代の同社草創期、A300旅客機のパーツ輸送を目的としたターボプロップ輸送機「スーパーグッピー」の導入から始まり、1990年代に入るとA300をベースとした「ベルーガST」がデビュー。「ベルーガ XL」はいわば3代目にあたる存在といえるでしょう。

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エアバス「ベルーガXL」(2021年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

「ベルーガ XL」は、業績を伸ばし続けるエアバス社の生産率向上に対応するため、そして同社の双発機「A350」シリーズの立ち上げにともない開発されました。

 スペックの向上も図られています。これまでの「ベルーガST」と比較し30%輸送能力がアップ。「ベルーガ ST」では1枚のみだったA350の主翼を、「ベルーガ XL」では2枚同時に運ぶことができます。また、ターンアラウンドタイム(到着から次のフライト出発までの折り返し時間)も「ベルーガ XL」は1時間。既存の「ベルーガ ST」の半分の時間まで短縮されているとのことです。

 ちなみに「ベルーガ」は日本語でいうと「シロイルカ」の意味。「ベルーガ XL」には目が描かれ、機首のコックピットの窓あたりからは「口」をイメージした黒いラインが引かれています。つまり、全景を見渡すと「巨大なシロイルカが空を飛んでいるように見える」というわけです。

【了】

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