無料で見学できる元「軍人の慰安所」に行ってみた 堂々公開の“赤裸々な歴史”

1949年から長らく中国大陸と戦いが続いた金門。台湾と同じく中華民国が実行支配する諸島で、実は約50年もの間、中華民国・国防部公式の従軍慰安所が設置されていました。その赤裸々な歴史はいま、誰でも見られる形で「公開」されています。

金門の各所に存在した従軍慰安所「特約茶室」

 第二次世界大戦中、日本軍は侵攻した諸外国の各地に、軍当局の関与のもと、「従軍慰安所」を開設したことは広く知られています。このことは侵攻の歴史とともに、女性を心身ともに蝕んだ行為だとして、戦後80年を経過した今なお非難の的にもなっています。

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1949年から長らく中国大陸と戦いが続いた金門・小徑にある元慰安所「特約茶室展示館」(2026年、松田義人撮影)

 一方、中華民国(台湾を統治する国)が実効支配する中国大陸の目と鼻の先にある島嶼エリアで、1949年から1979年まで中国との間で熾烈な戦いが繰り広げられた「金門」でも、実は1951年に中華民国・国防部が公式に従軍慰安所を設置し、約50年間もの長きにわたって営業が続きました。このことは近年まであまり知られてきませんでした。

 その従軍慰安所の名は「特約茶室」といいます。「茶室」というタテマエ的な呼び名が中華的な語感ですが、かつての軍事や地元の人々の間では「831」「軍中楽園」という呼称でも知られたそうです。

 戦時中、訓練中の兵士、現役軍人は「結婚すること」を厳しく制限され、また軍の休暇もままならなかったと言われています。

 こんな背景もあってか、同時期に金門同様、中華民国が統治する台湾・澎湖などでは軍人による性的暴行事件が発生。激戦区の金門でも同様の事件が起きることを危惧し、1951年に「特約茶室」が設置されました。一時は金門に7か所もの特約茶室があったと言われています。

 なかでも、約50年以上営業を続けたのが金門・小徑にある特約茶室です。現在はその史実を後世に伝えるため、「特約茶室展示館」として公開されています。

 50年間の営業時、おおむね10名ほどのスタッフと慰安婦が働いていたと言われ、その多くが自主的に志願し金門にやってきた台湾人だったそうです。

 なお、慰安婦は「軍人以外と接しない」「秘密を漏らさない」「外の客を招いたりしない」「週イチで定期検査・3か月に一度に血液検査をする」といった厳しい規則が設けられていたといいます。

【当時の女性の写真も】これが「特約茶室」の様子です(写真)

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