ミッドウェーの快挙「遅い飛行艇で夜間雷撃」の武勇 裏に「パールハーバー!」の男

太平洋戦争のターニングポイントになったと言われることもある「ミッドウェー海戦」。実は日米の空母どうしによる戦いの裏で、鈍重な飛行艇による史上初のレーダー夜間雷撃成功という快挙もありました。その知られざる作戦とは。

戦前からミッドウェー防衛を研究していた指揮官

 指揮官の名はローガン・ラムゼィ。1941(昭和16)年12月8日に起きた旧日本海軍によるハワイ真珠湾の攻撃当日、近傍のフォード島にあった海軍航空基地から「パールハーバーは攻撃を受けつつあり。これは演習ではない。繰り返す、これは演習ではない!」という、緊急放送を行った人物です。ちなみに「これは演習ではない!」のフレーズは、以降、フィクションの戦争ドラマなどでしばしば使われるほど有名になりました。

 戦前、ラムゼィは空母搭載機(艦上機)や水上機、さらには飛行艇のパイロットとして勤務したほか、海軍大学の在学中には、それこそミッドウェー環礁の防衛と攻略について研究していました。このような経験と実績をかわれて、適任として同環礁に派遣されたのです。

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アメリカ海軍のコンソリデーテッドPBY「カタリナ」飛行艇(画像:アメリカ海軍)。

 ラムゼィは、ミッドウェー環礁に着任した翌日の5月30日から、自ら考案した新しい哨戒飛行計画に基づいて「カタリナ」を飛ばしました。そして6月3日、同環礁に接近しつつある日本のミッドウェー攻略部隊の船団を発見。まずB-17「フライングフォートレス」重爆撃機による水平爆撃を実施しましたが、戦果は得られませんでした。

 B-17爆撃機部隊を送り出して夕方となりつつある頃、ラムゼィは、この日の16時頃にやっとハワイから到着した4機のカタリナに注目しました。この4機は最新の機上レーダーを備えていたのです。

 このレーダーは本来、哨戒飛行用でした。敵の水上艦艇を広い大洋の中で見つけ出すために備えていたのですが、ラムゼィは、切迫した戦況を鑑みて、それまで試験だけは進められていたものの、アメリカ海軍航空隊ではまだ一度も実戦で行われたことのない夜間の航空雷撃を、専用の攻撃機などではなく“雷撃も一応できる飛行艇”に行わせようと決断します。

 そこで彼は「カタリナ」飛行艇の搭乗員たちを集めて、今回の出撃には本人の自由意志が尊重されることを説明しましたが、出撃を辞退する者はひとりもいませんでした。

【写真】魚雷を投下する「カタリナ」飛行艇ほか

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