日本最長169.8kmの路線バス、運賃を往復全額バック! 「八木新宮線」今だからできる楽しみ方

今だけ観光バス・使える村営バス!キャンペーンをさらに楽しむ裏ワザ

 今回のキャッシュバックキャンペーンは普通に利用するだけでも十分にお得ですが、さらに楽しめる方法をまとめました。

●期間限定・玉置神社への送迎バスも!

 今回のキャンペーンと並行して、村内宿泊者を対象に、熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)の奥宮として知られる「玉置(たまき)神社」の参拝に便利な「十津川村周遊観光バス」が運行されています(2022年1月31日まで。利用は2日前までに要予約)。悪疫退散・商売繁昌のご利益でも知られるこの神社に十津川温泉から向かうには、10kmで実に800m以上の標高差をクリアする急坂が立ちはだかります。あまりにキツイ道のためか、自家用車での来訪者が駐車場に止めて、このバスへわざわざ乗り換えるケースもあるのだとか。

●実は使える! 十津川村営バス

 大和八木駅から十津川温泉への第1便の到着は13時29分、逆方向の最終便出発は12時14分なので、八木新宮線を利用しての日帰り周遊や十津川村外への移動は難しいのが実際のところ。しかし、「十津川村営バス」を組み合わせると、十津川温泉エリア以外にも行動範囲が広がります。

 ただ往路のキャッシュバックが適用されるのは、大和八木方面から十津川村内で下車する場合のみ。例えば大和八木からの初便で県境を越えて和歌山県側の熊野本宮大社に移動する場合、休憩をとる十津川温泉でキャッシュバックを申告していったん下車したのち、再度乗車し「本宮大社前」で下車する方法が現実的です。本宮大社からの帰り、十津川村営バスの十津川温泉行き(本宮・七色・本二津野線)に乗車すれば、1時間強の参拝時間は確保できます。また他の村営バス路線やレンタサイクルを活用し、村内に点在する温泉地(とうせんじ)温泉、十津川温泉、上湯温泉などの“温泉地ハシゴ”も十分に可能です。

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十津川村営バスは奈良交通に委託され、村内の各地を結ぶ(宮武和多哉撮影)。

●もう1泊&新宮行きなら復路でも5000円以上おトク?

 今回キャッシュバックが適用される区間は、往路は大和八木駅~十津川村内まで。しかし復路は全線で使用することができるため、十津川村で1泊ののち和歌山県側で2泊目の宿を確保すれば、復路は最大で5350円おトクになります。ただし新宮駅~大和八木駅間乗車の場合で、途中下車は不可です。

 和歌山県側の見どころとしては先に述べた熊野大社だけでなく、湯筒から湧き出る“つぼ湯”に癒される湯の峰温泉や、作家・中上健次さんの多くの作品の舞台となっている新宮市内など。キャッシュバック適用区間以外の移動や宿泊はもちろん自己負担になるものの、せっかくここまで来たからには、“日本最長のバス路線”の全線を余すことなくしっかりと堪能したいものです。

【了】

【乗るだけでお腹いっぱい!】フルに楽しめる日本一長い路線バスの旅 写真で追う

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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