依然「お客様は神様」か 悪質クレーマーに悩む鉄道・バス業界 特に多い5,60代
「たった一発で人生はこわれる。」ポスター、貼ってありますね。
近年はSNSを使ったカスハラも
航空・鉄道・バス・タクシーなど、主に交通運輸や観光産業界で働く約60万人が加盟する労働組合「全日本交通運輸産業労働組合協議会」は2021年5月から8月にかけて、カスタマーハラスメント(カスハラ)の悪質クレームに関するアンケート調査を実施。その結果を11月、公表しました。
回答者数は2万908人。うち46.6%の組合員が、直近2年以内に利用者からカスハラの被害にあったと回答しました。3.1%の組合員に至っては、16回以上の被害にあっているという実態でした。ここではさらに、日常的に利用する鉄道・バス業界について見ていきます。
「最も印象に残っているカスハラ行為」は「暴言」でした。次いで「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」「威嚇・脅迫」「権威的(説教)態度」と続きます。利用者は「大声をあげる」ことが最も多く、ほかにも「攻撃的な話し方・言葉」「揚げ足取り」「人格否定」、中には暴力を振るうものも見られました。
カスハラをする利用者の年代は、50歳代が最も多く30.7%、次いで60歳代22.9%、40歳代18.5%と続きます。性別は男性87.1%、女性10.4%という結果でした。いずれも対面が最も多く、次いで電話です。そして近年はSNSの割合が高まっています。特に鉄道ではメールよりも多い結果となっています。
対面でのカスハラについて、その発生時刻を見ると、鉄道は20時から24時までの夜間帯が最も多いのに対し、バスは14時から17時までの日中時間帯が最多でした。対応にかかった所要時間は80%以上が1時間以内であるものの、7日以上の事案も2%ありました。
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