イタリアのデカすぎ重戦車「フィアット2000」第1次大戦は間に合わなかったけど100年後に復活!?

第1次大戦中のイタリアはあまり知られていないものの、実は意外と早い時期に戦車の開発を始めていました。完成した独自戦車は、新機軸も盛り込んだ意欲作でしたが、歴史の狭間に埋没。ただ、技術遺産として21世紀に復活を遂げています。

新機軸を盛り込んだ斬新な設計

「モデッロ17」は、後部の機関室にカッパ技士が設計した飛行機用の水冷エンジン(250馬力)を搭載しており、ドライブシャフトを用いて変速機経由で前部の起動輪に動力が伝えられる構造を採っていました。

 この、いわゆる前輪駆動方式は、その後の戦車において一般的なレイアウトになりましたが、創成期の戦車では珍しい方式でした。イギリスのMk.I戦車は操縦だけで4人の乗員が必要であったのに対して、「モデッロ17」試作戦車ならひとりで操縦が可能というメリットも有していたのです。

 また足回りは転輪を板バネで懸架する方式で、サスペンションなどなかったイギリスのMk.I戦車と比べて、はるかに走行時の乗り心地も良いものでした。

 さらに特筆すべきは、戦闘室上部に搭載された全周旋回式の砲塔です。これもその後の戦車では当たり前となる装備ですが、時代を先取りした先進的なものでした。当初は円錐台で上が開いたオープントップ形式でしたが、世界で最も早い近代戦車のレイアウトを持つとされるフランスのルノーFT17軽戦車の試作完成が1917(大正6)年2月なので、4か月ほど遅いものの、設計的には最先端をいくものだったといえるでしょう。

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1920年代前半、創成期のイタリア戦車部隊が所有した各戦車。左から国産のフィアット3000軽戦車、フランス製ルノーFT17軽戦車とシュナイダーCA.1戦車、そしてひときわ巨大なフィアット2000戦車(吉川和篤所蔵)。

 イタリア陸軍とフィアットは、後にこの「モデッロ17」の弱点を見直して改修、17口径65mm歩兵砲を搭載した砲塔を密閉式の半球型に変更したうえ、左右側面の銃眼穴を装甲で覆い、後部には銃座を追加しています。なお、この改修で試作車両は6.5mm水冷式機関銃を全部で7挺装備するようになりました。こうして改良された試作1号車は「フィアット2000」戦車として制式化され、翌年にはもう1両が完成しています。

 しかし、もともと大柄な車体設計に加えて度重なる改修で重量は40t近くなり、結果的にフィアット2000は、第1次世界大戦期に開発された実用戦車としては最も重い戦車となりました。さらに機関銃の数も増えて搭乗員の数もイギリスMk.I戦車より2名多い10名となり、実用速度は7km/h以下になっています。

【サイズ感は?】多数の乗員とともに撮影されたフィアット2000

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