依然コロナ禍2021年の鉄道 凶悪事件などで増大する設備投資 収入減の中「選択」進む

大都市を抱える自治体では2021年、1年の多くが緊急事態宣言下にありました。ただ、世界に比べると新型コロナウイルスが落ち着きを見せ始めた日本では、徐々に外出自粛ムードも薄れ、これに伴い鉄道利用も回復しつつあります。

収入減でも削れない安全対策投資

 一方、大手私鉄に目を向けると西武鉄道、京成電鉄、東京メトロ、京王電鉄を除く各社が最終黒字に転換しています。前述のように4月~5月を除けば鉄道営業収入が昨年より大きく増加したわけではありませんが、経費削減を徹底したことで利用者が少なくても黒字を出せる体質に変わりつつあるのでしょう。

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JR東日本の相模線では30年ぶりに新型車両がデビューした。車両も安全・快適な輸送に寄与する重要な設備投資(2021年9月、伊藤真悟撮影)。

 帳簿上の利益より重要な資金繰りはどうでしょうか。これまで鉄道事業の生み出すキャッシュは、グループ経営を支えるとともに設備投資の源泉となっていました。2020年度決算における大手私鉄の運輸事業(鉄道、バスなど)の営業利益を見ると、大手私鉄のうち南海電鉄と阪神・阪急HD以外の全社が赤字ですが、当期の現金支出を伴わない費用である減価償却費を加えると、近鉄GHD以外は黒字であり資金繰りに問題はありません。

 ただ、鉄道事業は安全対策をはじめ長期的な視点に立った設備投資が必要です。首都圏大手私鉄各社の設備投資計画で見ると、コロナ前の2019年度の予定額(実績値とは異なる)と比較して、2021年度は概ね2~3割削減されているものの、逆に言えば鉄道事業の儲けがかつてないほどに落ち込んでも、設備への投資を不断に行っているのです。完成まで長時間を要する新線建設や連続立体交差事業の推進、老朽化した設備の更新、そして近年社会的要請が強まるホームドアの整備などの安全対策費を削ることはできません。

 加えて列車内での凶悪事件発生を受け、車両などへの防犯カメラ設置や巡回強化など、鉄道事業者の負担は増しています。

【斬新、「風が抜ける」ホームドア】イメージ図を見る

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コメント

1件のコメント

  1. 本業の足を引っぱる私鉄の子会社がもしあるのなら整理を考えないと。 

    JR東のようなところでもワンマン化とか早朝深夜または終日の駅無人化などをコロナ以前から進めていたところを見るとよくよく鉄道は儲からないもののようです。

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