道路になっていた「JR肥薩線」 鉄道信号の下を走るトラック 豪雨災害から復旧への遠い道のり

2020年7月の豪雨被害から運休が続くJR肥薩線では、被災した線路のうち数か所が仮設道路に改修されています。人吉で接続するくま川鉄道が部分復旧を果たした後も、なかなか今後が見通せない肥薩線の現状を見てみましょう。

鉄道信号の下をトラックが走る 肥薩線はいま仮設道路に

 豪雨災害で壊滅的な被害を被った九州のJR肥薩線、その一部はいま、「道路」になっています。

 熊本県南部と鹿児島県を山間部経由で結ぶ肥薩線(八代~人吉~吉松~隼人)は、2020年7月にこの地を襲った豪雨と球磨川の氾濫で大きな被害を受け、2022年1月現在も全線の3分の2にあたる八代~吉松間で運休が続いています。被害は全体で450か所にものぼり、特に“川線“と呼ばれる八代~人吉間では、球磨川を渡る鉄橋4本のうち3本が落橋するなど、依然として復旧の見通しが立っていません。また運行システムが集中していた人吉駅の被災もあり、比較的被害が少なかった“山線”こと人吉~吉松間の運休も続く見込みです。

「令和2年7月豪雨」と呼ばれる今回の災害は、鉄道のみならず、球磨川沿いに並行する国道219号や周辺の道路にも甚大な被害を及ぼしました。落橋した10本の道路橋も未だに4本しか復旧できていない状況の中で、川沿いの道路を緊急で啓開(応急処置としての道路復旧)する必要があり、肥薩線の軌道敷を仮設道路として活用する箇所が増えているのです。

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線路から転用された道路には鉄道の標識がそのまま残る。坂本駅周辺(宮武和多哉撮影)。

 八代市坂本地区では、坂本~葉木間の単線の線路上にアスファルト舗装を施し、トラックなどを通す道路として活用しています。並行する市道は路肩の崩落などで通行できない箇所もあり、今やこの道路は球磨川沿いの地区を結ぶ重要な存在です。

 この道路には、市街地の高台移転・道路復旧のための工事車両が多く通行し、一見するとここが線路であったことは想像がつきません。普通の道路と少し違うことといえば、トラックが走り抜ける頭上に、通電していない鉄道用の信号がそのまま残っていることでしょうか。

 また、観光列車や特急列車の停車駅・列車交換駅として機能していた白石駅(熊本県芦北町)は、構内の広い敷地がそのまま作業車用の道路となっています。周囲にはブルドーザーやロードローラー(道路の基礎部を固める車両)が見られ、周辺道路の復旧を進めるための基地としての役割も果たしているようです。

【「災害に強い道路をつくっています」←そこは線路】肥薩線の地図と現在の状況 画像で見る

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1件のコメント

  1. そのままなし崩し的にBRTになりそう

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