ウクライナがNATOに要請する「飛行禁止区域の設定」の意味は? なぜそれが必要なのか
ウクライナ上空をロシアに明け渡すとどうなるか
ロシア側が航空優勢を握ることになると、ロシア空軍は陸軍の補給にヘリコプターや輸送機の使用が可能となり、陸軍の物資不足はそれなりに改善することになるでしょう。またロシア空軍による住民をターゲットとした大規模な無差別爆撃が行われることも十分に考えられます。
ロシア空軍はこれまで、シリア内戦などにおいても無差別爆撃を行っており、大型爆撃機さえ投入した過去があります。また実際に、市街地への無差別爆撃は、すでにウクライナにおいても実行されていることが明らかになっています。残念ながらロシア側は戦時国際法を守るという意識が極めて低く、プーチン大統領はこれを躊躇しないでしょう。
大規模な無差別爆撃の意図は、ウクライナ国民の依然として旺盛な戦意をくじくことにあると見られますが、こうした作戦は往々にしてうまくいかないのが現実です。それはかつての日本やドイツなどの例を見ても明らかです。無差別爆撃によって家を焼かれ家族を失った住民が、敵を憎みこそすれ、戦意を失うに至ったかは疑問符がつくところでしょう。
ウクライナは無用な犠牲を防ぐためにもロシア空軍を自由に活動させてはならないと考えており、なんとしてでもこれを阻止しようと手を尽くしています。
【了】
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
もうろそろウクライナの要求どうり飛行禁止区域の設定を考える時に
きているんではないですか。これ以上人間を死なせたくないです。NATOもアメリカもこれ以上ロシアの脅しに
屈しては先々まで舐められますよ。