「新幹線」だけど踏切アリってなぜ? 山形新幹線ならではの“目立つ”踏切安全対策とは

新幹線は原則として立体交差で、もちろん踏切もありません。ただし、これはフル規格新幹線に限った話。在来線の線路や設備を転用したミニ新幹線には、「踏切」も普通に存在しますが、ここならではの工夫も詰まっています。

在来線の設備を転用した「ミニ新幹線」

 ミニ新幹線とはフル規格とは異なり、在来線の線路や設備を活用しています。山形新幹線は、福島~山形間を結ぶ奥羽本線を新幹線の車両が走れるようにしているのです。

 奥羽本線の軌間は1067mm、新幹線の軌間は1435mmです。福島駅から奥羽本線へ新幹線を直通させるには、線路の幅を揃えなければなりません。そのため、福島~山形間の線路は1435mmへと改軌されましたが、線路としてはあくまで「在来線」であるため、フル規格の新幹線には存在しない踏切が点在しています。時折、新幹線と自動車の踏切事故が発生するのは、そのためです。

 東北新幹線内では200km/hを超える高速で走れますが、山形新幹線区間に入ると、安全上の観点から最高速度が130km/hに制限されます。とはいえ速いことに違いありません。そこで踏切事故を減らすため、山形新幹線(奥羽本線)の主要踏切では遠くからでも視認できるような工夫がなされています。

 それが踏切の前に建てられた、門のような構造物です。これにより、交差する道路を走るクルマからは、「新幹線も通る踏切」の存在が分かりやすくなっています。また、クレーン車などが高電圧電線に接触するのを未然に防ぐ役目もあります。

 1999(平成11)年、山形新幹線は新庄駅まで延伸。山形~新庄間も奥羽本線を改軌したミニ新幹線なので、山形新幹線における踏切の数は増えることになりました。

 なお、1997(平成9)年に開業した秋田新幹線もミニ新幹線です。秋田新幹線は岩手県の盛岡駅から秋田県の秋田駅へとつながる田沢湖線と奥羽本線を改軌しています。こちらも線路や設備を転用しているので、同区間には踏切があります。

【了】

【ちょっと昔の山形新幹線】ヌッと踏切に現る

Writer:

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。

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