U-2「ドラゴンレディ」のいま 冷戦の空を飛んだ高高度偵察機が担う新たな役割とは?
ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、アメリカ空軍のU-2「ドラゴンレディ」高高度偵察機がイギリスに展開しました。U-2といえば冷戦とともに語られることの多い飛行機ですが、21世紀もなお、新たな役割を担い飛び続けています。
ウクライナ周辺を飛んでいるかもしれない冷戦期の偵察機
2022年2月24日に開始されたロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻では、アメリカをはじめとするNATO(北大西洋条約機構)各国は直接戦闘には参加していないものの、ウクライナと国境を接しているNATO加盟国であるポーランドやルーマニアの上空でさまざまな航空機を飛行させ、状況の監視を行っています。
軍事侵攻の開始以前から活動が確認されていたのは、搭載する円形のレーダーにより数百キロ先の航空機の動きを監視するE-3 AWACS(早期警戒管制機)や、地上部隊の動きを監視するE-8C「ジョイントスターズ」、高高度を飛行する無人偵察機RQ-4「グローバルホーク」などで、これらの捉えた情報がウクライナ側に提供されているのではないかとの見方もなされています。
一方で、こうした航空機とは異なり、その動向が全く把握されていない機体がイギリスのフェアフォード空軍基地に展開しています。それが、アメリカ空軍の高高度偵察機U-2です。U-2が同基地を拠点にどのような活動を実施しているのかは明らかにされていませんが、2021年のウクライナをめぐる緊張悪化が生じて以来、ロシア軍に対する偵察活動を実施していると見られています。
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