ロシア軍の将軍クラス指揮官を次々狙い撃ち なぜ可能? ウクライナの戦術にNATOの影

ロシア軍の上級指揮官が相次いで戦死しています。ウクライナ軍にとっては大戦果ですが、そのやり口は冷戦中にNATOが対ソ連軍用に検討していたものに酷似しているとも。いったいどのような戦術なのか解説します。

将軍が最前線に出向くメリット&デメリット

 第2次世界大戦時のドイツ軍では、上級指揮官が最前線に出ることが多く、それゆえに、しばしば戦死するケースがありました。一方、そのドイツ軍と東部戦線で対峙した旧ソ連軍も、ドイツ軍の指揮スタイルを真似て上級指揮官が最前線に赴くようになった結果、同様に戦死するケースがしばしば生じています。

 旧日本軍もまた、他国に比べて特に上級指揮官が失われることが多くありました。ただ、これはアメリカの大艦隊に包囲され脱出の途が閉ざされた島嶼を守る陸軍の上級指揮官や、「キャプテン・ザ・ラスト」の考えに則り、海軍の艦長や艦隊司令官が沈没に際して乗艦と運命を共にしたことなどから、その戦死率が他国に比べてかなり高くなるのは条件的にやむを得ないことでした。

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ウクライナ領内に遺棄されたロシア軍の車列(画像:ウクライナ国防省)。

 まだ通信連絡機器が今日ほど発達していなかった第2次世界大戦当時、高位の司令官が最前線に身を置くと、実質的なメリットとして、リアルタイムで戦況に接しその場で即座に判断が下せるので、指揮上きわめて有効であることが挙げられます。加えて「オレたちの司令官はオレたちと共に最前線で戦っているんだ」という、隷下の将兵の士気を鼓舞する心理的な副次効果もありました。

 しかし通信連絡機器が発達した現在、戦線のかなり後方でも、ほぼリアルタイムで確度の高い戦況が把握できるようになったため、上級指揮官が最前線に赴く必要性は下がっています。それでも、あえて最前線にいくのは、将兵の士気を鼓舞するためのパフォーマンスぐらいしか意味がないでしょう。

 ところが、この「通信連絡機器の発達」が、別の問題を引き起こしました。

【写真】ウクライナ軍の代表的装備をイッキ見

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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