乗客減/支援終了/原油高の三重苦 バス業界22年度を占う 危機感持つべき「大都市郊外」

「コロナ3年目」2022年度もバス業界は苦境が続いています。これまで大手私鉄が交通を担っていた大都市郊外でも路線バスの維持が課題になりそうな一方で、将来を見据えた動きも進んでいます。

希望の光に? 明るいトピックいろいろ

 課題の多いバス業界ですが、将来を見据えた動きは、コロナ禍でも変わらずに進んでいます。

東京の新バスターミナル開業

 本年9月、東京駅前に新しい高速バスターミナル「バスターミナル東京八重洲」が開業し、2028年度までに国内最大規模に拡大予定のほか、全国でバスターミナル新設プロジェクトが相次いでいます。これまで多くの事業者が大都市部で停留所不足に泣かされてきただけに、新路線や後発参入のチャンスだと言えます。

大型二種免許「19歳から」に

 乗務員に関することでは、本年5月、事業用バスの運転に必要な大型二種免許の受験要件が緩和されます。最低でも21歳にならないと受験できなかったものが、一定の条件が付きますが19歳から受験できるようになります。

 昨今深刻になっている乗務員不足、その背景の一つが、高校や専門学校の新卒者を採用しても、乗務員としてデビューするまで時間がかかることでした。この要件緩和で、鉄道などと同様、新卒採用後に乗務員として養成する動きが定着することが考えられます。

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乗務員採用の動きが再開。22年3月、東京バス協会が「運転体験会」を開催(画像:バスドライバーnavi)。

※ ※ ※

 さらに現在、自動運転技術の確立に向け各地で実車を用いた実証実験が行われています。スマホの配車アプリを活用した、路線バスとタクシーの中間に位置するオンデマンドバスのような新しいモビリティも同様です。自動運転は、技術的には相当なレベルに達しているという印象ですが、法令による規制のあり方や、万一の事故に対する社会の受容性醸成などが課題です。

 コロナ禍という未曽有の危機を乗り越えるには、輝かしい技術に象徴される長期的な視点と、足元の現実的な課題の解決を両立させることが求められています。

【了】

【バス路線、10年でどれだけ廃止?】衝撃的なグラフ 画像で見る

Writer:

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。著書に『高速バスのビジネス』(成山堂書店)、『「マーケティング感覚」の実装力』(同文舘出版)。新聞、テレビなどでコメント多数。

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