ロマンスカーVSEどんな車両? 元運転士に聞く 超デラックス特急ならではの気配り運転

小田急電鉄の看板車両「特急ロマンスカー」。中でも運転席を2階に設け、客室を車体前面まで伸ばした展望席を持つ「VSE」「GSE」は人気でしたが、うちVSEが定期運行から引退しました。両車両を走らせた元運転士に思い出などを聞きました。

運転士から見ても斬新な「VSE」

――「VSE」「GSE」は登場時に、小田急ロマンスカーのフラグシップと言うべき車両でした。運転士にとって、どのような印象を受ける車両でしたか?

「VSE」は、今までのロマンスカーとは一線を画す「スタイリッシュさ」と、「白い車体」「広い車内空間」が衝撃的でした。運転士としては「運転台に側窓がなく、外を確認するモニターが付いている」のは新鮮でしたね。

「GSE」は「LSE」(編注:7000形。前面展望席を備える)を置き換える車両という認識でした。ロマンスカーを象徴する車体色「ローズバーミリオン」と「運転台の広さ」には安心感がありました。「VSE」と異なり「運転台窓」が設置されていましたので、駅停車中にホームから手を振ってくださるお子さまに応えることができたなど、お客様との距離を近く感じられることを嬉しく思っていました。

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「VSE」の運転席がある2階へははしごで(2013年12月、安藤昌季撮影)。

――「VSE」には車体傾斜機構が備わっていますが、他車と運転感覚の違いは感じられましたか?

 車体傾斜は高速で曲線に侵入する際、特に効果がありました。2階にある運転席でも揺れが少ないと感じられました。

――「VSE」「GSE」ともに、運転台が2階にありますが、乗務時に他車との大きな違いは感じられますか?

 2階の運転席は見晴しが良好です。その一方で、運転台から見えにくい箇所が存在するため、駅進入時は特に注意を払って運転していました。

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