首都高 長大橋も老朽化深刻 「荒川湾岸橋」の下で見た、華麗な橋ゆえの悩み
ボルト抜けちゃってる! 橋桁の下部で見た!
今回は荒川湾岸橋の内部に設けられた補修のための吊り足場にて、東京側から橋の中ほどまで見学しました。H型の鋼材が、タテ・ヨコ・ナナメあらゆる方向に組まれた空間は圧巻のひとことですが、ところどころ、塗装の剥がれが目立ちました。
なかには、トラス部材どうしをつなぐガセットプレートと呼ばれる板が腐食し、剥がれてしまった箇所も。この橋は潮風の影響を受けるうえ、水が溜まりやすい箇所で鋼材が膨張し、さらには破断に至るといった事象が発生しているといいます。
鋼材をつなぐ高力ボルトも錆びたものがかなり多く、あまりに腐食が進み、抜け落ちている箇所もありました。この区間は1日16万台が通行する首都高でも指折りの重交通区間であり、1本でもボルトが欠損すれば、他のボルトに大きな負荷がかかるといいます。
荒川湾岸橋は、こうした亀裂や破断といった深刻な損傷が376か所見つかっているといいます。もちろんこうした箇所は、日常的な点検で補修されますが、塗装の剥がれも含め、近年目立って増えているのだとか。
一方で河川上のため、点検補修でもアクセスが困難。さらに部材数が多いため、足場設置なども大規模になるといいます。首都高速道路のスタッフは「非効率」という言葉を多く使っていましたが、これだけ部材が多いため、損傷が一気に増えてくると、手に負えなくなる側面があるわけです。
首都高速道路 保全・交通部長の岡田知朗さんによると、現在、有識者と検討を進めている大規模更新・大規模修繕の選定においても、荒川湾岸橋の優先度は高いといいます。架け替えはしないものの、大規模な修繕を行うとともに、日常的な維持管理をしやすくする対策を検討していくということです。
【了】
潮風に当たる所ですから、部材の劣化が早いのはごく自然なことです。
羽田線や東京モノレールにも、同様のことが言えます。
なので、一気に大規模修繕をしてもらって、工期短縮をしてもらいたいものです。
どこの工事会社が施工しているのかも記載してほしい