軍人の練度が現れる?「ヘリからロープ降下」 ガチ握力頼りから道具使用まで どう使い分け

離島防衛だけでなく、災害派遣などでも孤立した地域に救助の自衛隊員がロープなど使ってヘリコプターから降りることがあります。これ、やりかたによって複数の種類に分かれるそう。互いのメリットとデメリットについて見てみます。

機械で降下する「ホイスト」の長所と短所

 一方、リペリングは、ファストロープよりも細いロープを使って降下します。隊員はロープで結んだ自作ハーネスやロッククライミングなどで使用するナイロン製ハーネスをあらかじめ用意し、これにカラビナと呼ばれる登山用の固定具を用いることで、降下時のブレーキ操作をします。

 また、地上には落下に備えてロープを引っ張る隊員も待機していることから、万が一、手からロープを放してしまっても地面に真っ逆さまに落ちることはありません。そのため、ファストロープよりは安全で、より重い荷物を背負っていても降下できるメリットがあります。しかし、基本的に1本のロープで降りられる隊員は1名のみで、さらに降着したあとは余っているロープを全て手繰り寄せて外す必要があることから、迅速な戦闘展開には不向きです。

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CH-47JAからファストロープで降下する陸自隊員。ファストロープの長所は、降着後、速やかに展開できること(武若雅哉撮影)。

 なお、警察や消防などでもホバリングするヘリコプターから地上に降り立つことがありますが、それらと前出の自衛隊が行っているロープ降下技術とは大きく異なります。

 警察や消防では、基本的にはファストロープやリペリングのような固定されたロープで地上へ降りるようなことはせず、「ホイスト」と呼ばれる機械式のワイヤー装置を使うことが一般的です。こちらは、ワイヤーの先端にあるフックにハーネスを引っ掛けて、モーターの力で隊員をヘリコプターから下ろしたり上げたりします。

 つまり、ファストロープやリペリングはもっぱら飛行中のヘリコプターから降りるためだけに使用する手段なのに対し、ホイストは機械の力でワイヤーを巻き取ることで、下ろすだけでなく、上げることもできるという点で異なります。

 ただ、「ホイスト」を使う場合は、基本的には1回の降下で1人しか降ろせません。多くともせいぜい2人までです。また降下の速度はホイストの回転速度で決まってしまうため、それ以上早く降りることもできません。

 一方、機械で揚降を行うため、荷物や装具などを無人状態で降ろすことが可能という特徴も有しています。

【カラビナがない!】ファストロープやリペリングの降下訓練を行う陸自隊員のアップほか

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