太平洋戦争の岐路「ミッドウェー海戦」80年 負け確定だった日本艦隊 敗因は1週間前から
戦力を分散させず集中して使うべし
もし「ミッドウェーへは奇襲不能。敵空母は待ち伏せしている」と事前に考えて行動したなら、対策は可能です。4つの艦隊に分散している空母を集結させ、攻撃目標を敵空母に絞ればいいのです。
この場合、日本空母は8隻。偵察機を多数搭載した水上機母艦「千歳」「千代田」や戦艦、巡洋艦もいるので、それだけ多数の索敵機を飛ばせます。
飛行甲板が爆撃されても、無事な空母で戦闘を継続できるので、空母数8対3は圧倒的有利です。「龍驤」「隼鷹」「瑞鳳」「鳳翔」が加わると、零式艦上戦闘機22機、九六式艦上戦闘機17機、九九式艦上爆撃機26機、九七式艦上攻撃機15機、九六式艦上攻撃機8機の計88機が増加します。なかには旧式機もありますが、防空や索敵で活用できます。
これら空母を集結させ、ミッドウェー島を迂回してアメリカ空母を索敵し、これを撃沈した後で、ミッドウェー攻略に入れば勝てると考えます。
まとめると、「ミッドウェー基地に警報が出されたことを、海戦5日前に把握」「海戦2日前にミッドウェー付近で敵空母が活動していることを把握」「その日に自軍空母がダッチハーバーを攻撃しており、真珠湾の敵艦隊は迎撃のため、出撃した可能性がある」うえに「海戦1日前に攻略船団が空襲を受けているので、ミッドウェー島への攻略意図は露呈し、奇襲は不可能」と判断できるのに「ミッドウェー島へは奇襲可能で、南雲艦隊の空襲を受けてから、真珠湾の敵艦隊は出撃してくる」として、対策を取らなかったのが敗因だと筆者は思うのです。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
ゴリ押しで勝てるのに策士策に溺れるの典型ってのは痛いよね
戦前に想定してたフィリピン沖海戦のアメリカ側そのままなんだから分散が、悪手なのはわかりそうなもんなんだが‥
果たして、この記事のように、米艦隊を壊滅させ、ミッドウェー攻略に成功したとしても、この島を占領維持するためには、多くの補給物資を海上輸送する必要がありました。当時の日本にそんな補給力があったのでしょうか?仮に、やれたとしても、この島に向かう多くの輸送船団が、アメリカ潜水艦隊の雷撃の前に、沈められてしまったのではないのでしょうか?自分には、山本五十六の構想通りに、アメリカ機動部隊を壊滅させたとしても、この島の維持や、ましてやハワイ諸島の軍事的攻略など、全くの絵空事にしか思えません。
「機体の」誘爆が主原因ではないでしょ。給油ホースや魚雷などの危険物がある程度安全な庫内から引き出した状態で空襲を受けたから被害が拡大した。たしか船体機能には大きな問題なかったものの火災が手をつけられ無くなったから放棄に至ったはず。だから、発進できていれば危険物が減って…という意味での運命の5分間なんじゃないの?その他は理解できるし同意もするけど。
当たり前すぎて草、基本的に先に敵空母を発見して艦載機を発艦させて空母を撃沈させて制空権を取るのが基本。制空権を取った時点で勝ちだし先に敵空母を発見した側が勝つ確率は非常に高いからこの記事は当たり前のことを記事にしただけ。
本当の事言っちゃってごめんねw
まさに当時の日本海軍でも分かってることを書かれているんですね。草鹿参謀長が「さすがに愕然とした」と言ってることからわかるように、空母が出てきた時点で旗色がかなり悪いということは知っていたわけです。最初から出てくることが分かっていたら作戦自体変わっていたのは当然です。珊瑚海海戦で2隻沈めたと思っていたこと、空母はニューギニア方面にいるという欺瞞情報を貰っていたことが判断の原因です。
ダッチハーバーはむしろハワイ方面から進撃する意図を欺瞞する動きなのでまぁ仕方ないかと。
8隻対3隻というのは仮定としていただけないですね。4隻でも当時出せる精一杯だったわけで、8隻もあれば史実通りの展開でも完敗してないでしょうから。
南雲艦隊の戦術上の誤りは利根4号機が誤った位置情報を知らせたことだけだと思います。それ以外は当時の空母運用の未熟さ(防御力)、技術的な限界(レーダー、暗号被解読)、そして作戦に起因するものでしょう。南雲さん悪者扱いされること多くて可愛そう。