戦争? 侵略? ウクライナでの戦いはどう呼ぶのが正しいの? 呼称から見えるものも…

ロシアによるウクライナでの戦闘行為を表現するにあたり、「戦争」「侵略」「侵攻」など、国やメディア、発言者ごと表現にバラつきが見られます。その点に注目すると、この件に対する各々のスタンスが透けて見えるかもしれません。

呼称の差異から読み解けるものとは?

 最初に触れたとおり、ロシアによる行為をどう呼ぶかは、結局のところそれぞれの媒体や発言者が持つ背景や事情の下で決められているため、どれが最も適切かを一概に決めることは難しいといえます。

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ウクライナに提供されたM777牽引式155mm榴弾砲。特長はその軽さで、日本でおなじみFH70牽引式155mm榴弾砲の半分程度(画像:ウクライナ国防省)。

 たとえば、先ほど説明した侵略に関して、確かに国際社会の中でこの呼称が用いられていることも事実ですが、これはあくまでもそれぞれの国が今回の事態に法的な評価を加えた結果であって、単純に今回の事態そのものを表現する場合には、法的な評価を含まない「ロシアによるウクライナ侵攻(あるいは攻撃)」と呼称する方が良いのではないか、と考えることもできます。

 また、「戦争」という呼称に関しても、これを法的な意味ではなく、たとえば「湾岸戦争」や「イラク戦争」のように、大規模な軍事衝突を指すような一般的な意味の「戦争」として用いているのであれば、それもまたひとつの適切な呼称といえるでしょう。

 結局のところ、今回の事態に関してどの呼称を用いるべきかという問題は、それぞれの媒体や発言者がロシアの行為をどう捉えているのかを測るための、ひとつの指標と見ることができるのかもしれません。

【了】

【写真】見覚えあると思ったら…日本でもド定番の榴弾砲ウクライナへ

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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コメント

1件のコメント

  1. 立場によって変わるからなぁ。

    第三者から見ると、1969年3月2日の中国とソ連の戦闘は”中ソ国境紛争:Sino-Soviet border conflict”と呼ばれて、個々の戦闘を”珍宝島事件/マンスキー島事件:Battle of Zhenbao (Damansky) Island"と言われていたわけで、宇露(ウクライナ-ロシア)国境紛争になるんじゃないの?

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