操縦者を守れ! 空自唯一「航空医学実験隊」を取材 パイロットは地上でも過酷訓練

航空自衛隊入間基地には様々な部隊がありますが、なかには唯一無二のものも。そのひとつが、ひたすら航空医学に関する調査・研究を行っている「航空医学実験隊」です。取材してみたら驚きの装置をいくつも保有していました。

高度0mで急減圧状態を作り出す秘密部屋

 ただ、隊員の説明によると、加速度訓練を行う前に座学や筋トレによる事前訓練が必須とのこと。その理由は、高G環境下において乗組員自ら耐G動作をスムーズに行えるようにするためだそうで、これらを習得したのち遠心力発生装置に乗り込むのだそうです。

 披露してくれたのは、耐G動作に必要な呼吸法(腹呼吸)で、ほかにも「ブレーシング」と呼ばれる体幹安定トレーニングなどを実施していました。

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航空医学実験隊の庁舎内にある筋トレ室での耐G動作の演練の様子。腹筋台に頭を下にして寝転び、血液が頭部に集まった状態で上体を起こし、特殊な呼吸法を行うとのこと(柘植優介撮影)。

 続いて案内されたのは、低圧訓練装置。こちらは高々度飛行が人体に及ぼす影響を調べ、その対策、そして酸素マスクや酸素レギュレータなどの取り扱い方法を訓練するための装置です。装置内部には小部屋(減圧室)が設けられており、この中の気圧を人工的に下げることで、疑似的に急降下したときの状況を作り出すことが可能になっています。

 部屋は主室と副室からなり、前者は教官1人のほかに被訓練者14人、後者は教官1人のほかに被訓練者7人が入ることが可能です。

 なお、隊員の説明によると、急減圧が起きた場合、異常音の発生や、大量の霧の発生(急減圧による空気中の水分の結露)、空気の噴流、急激な温度低下が起きるとのこと。またこれに伴って体内の気圧と体の外の気圧に差が生じるため、肺の中の空気が一気に外に出てしまい、息ができなくなるそうです。

 こういったことが起きるため、なかにはパニックに陥る人もいるそう。そのため、そういった状況に直面しても落ちついて対処できるよう、訓練は必須とのことでした。

【航空医学実験隊の英称は?】訓練修了の証「低圧訓練証」ほか

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