JR貨物なぜ追い風に乗れぬ?「災害に弱い」「サービス悪い」の集中砲火 真価は平時ではなく

今後の鉄道貨物のあり方について、国土交通省の主催で検討会が行われています。そこでは各種業界からの「不満」も。どんな問題が生まれているのでしょうか。

閣僚にJR貨物の存在が知られていない?

 この東日本大震災における“裏ワザ”輸送は東北本線が復旧した同年4月下旬まで続き、この間に輸送した石油類はタンクローリー換算で合計3000台近くに達したといいますから、その輸送力には驚きです。

 余談ですが、JR貨物の首脳は「対策本部に詰めた総理を始め主要閣僚は誰一人、大量輸送が可能な鉄道貨物の存在を知らず、ある官僚からそれを知った時、一斉に『おお!』という声が上がるとともに、大臣の1人が『まだ“JR東日本”は貨物列車を走らせているのか』と驚いたそうだ」と、苦笑いしながら小生(深川孝行)に語ってくれたことがあります。

 このように自然災害などで交通インフラが全滅、「ゲームオーバー」状態にならないように多重化や余裕を持たせることを、業界用語で「リダンダンシー」(冗長性)と言います。

 また、各種輸送手段の中でもCO2排出量が極めて少なく、また少子高齢化によるトラック・ドライバー不足の代替策として、さらには物流業界の「2024年問題」(ドライバーの長時間労働防止と罰則適用)への対応など、JR貨物とっての「追い風」は吹いているのですが……。

 同検討会は今年7月に中間報告を発表予定。その中身に、業界内外の注目が集まっています。

【了】

【写真】東海道新幹線で走る計画だった「貨物新幹線」の痕跡

Writer:

1962年、東京生まれ。法政大学文学部地理学科卒業後、ビジネス雑誌などの各編集長を経てフリージャーナリストに。物流、電機・通信、防衛、旅行、ホテル、テーマパーク業界を得意とする。著書(共著含む)多数。日本大学で非常勤講師(国際法)の経験もある。

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コメント

2件のコメント

  1. 阪神淡路大震災では加古川線や播但線は貨物列車の迂回ルートとしては使えず、山陰本線経由が若干設けられたのみだとか。311後の磐越西線のJR貨物の第二種鉄道事業免許は役所が素早く動いたと何かに書いてあった。

  2. イタリアの鉄道の映像を見たり、現地を旅行すると、貨物列車を車中や駅にて良く見かけます。

    実際のデータは知りませんが、日本より物流に多く利用されている印象があります。

    線路の規格が違うので、一概には言えませんが、JR貨物へのユーザーの不満点が「ソフト」にあるのなら、企業努力が足りないとしか言いようが無いような気がします。

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