19世紀欧州「鉄道ゲージ戦争」いまに続くその功罪 ウクライナ侵攻で改めて浮き彫りに

国家間にレールが続いていることの功罪

 国際政治にも影響があります。6月16日、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、イタリアのドラギ首相が、3人揃って特別列車でウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問、前日夜にウクライナ国境近くのポーランド東部を出発したとのことです。先述したようにポーランドのごく一部には、キーウへ続く広軌が敷かれています。

 3か国の最高首脳が、揃って同じ列車で移動したというのは異例です。戦地において空路はリスクが高いという警備上の都合もあるかと思いますが、筆者(月刊PANZER編集部)は、ウクライナもロシアと同じ旧ソ連圏の広軌であるものの、西欧と分離されているわけではなく物理的に繋がっていることを示して連帯をアピールする効果を狙ったのではないかと想像します。

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ヨーロッパ広軌路線図(CC0 public domain画像を基に月刊PANZER編集部にて作成)。

 もともとポーランド国内の広軌は、旧ソ連と鉱物資源の輸送を効率化するために敷設されました。ポーランドが1980年代末まで旧ソ連を中心とする社会主義陣営だったころの名残です。21世紀に入って国際関係が変化すると、ポーランド国内の広軌の持つ意味も変わっています。

【写真】ゲージが違うゆえに…ハンガリーとウクライナの国境駅の光景

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コメント

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2件のコメント

  1. 兵站輸送などというが、日本ではわざわざトンネルポータルや高架橋をミサイルで撃つような陽動作戦に出なくても、移動体通信キャリアのひとつでもサイバーテロで無力化するだけで貨物列車がどこにいるのかわからなくなるのであった。

  2. 詐欺広告が頻繁に出てくるんだが
    どういう審査してるんや……