『トップガンM』主役機「F/A」の意味 世界で主流の「マルチロール機」とは?

増えすぎた軍用機の役割をなるべく兼任させたくて

 戦間期から第2次世界大戦にかけて、攻撃機、雷撃機、急降下爆撃機、夜間戦闘機といったような、任務ごとの専門性を持たされた様々な軍用機が誕生し、「機種」はさらに細分化されていきます。

 一方でこの大戦中には、あまりに増えた機種を統合しようという試みも見られました。まず、空母で運用されている艦上機の中で、魚雷攻撃を専門に行う雷撃機と爆弾攻撃を行う艦上爆撃機の統合が試みられ、日本海軍の「流星」やアメリカ海軍のA-1「スカイレイダー」が開発されます。

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旧日本海軍の艦上攻撃機「流星」(画像:Unknown author、Public domain、via Wikimedia Commons)。

 同じころ陸上機でも、新型戦闘機の投入により旧式化した戦闘機に爆弾やロケット弾を積んで戦闘攻撃機(戦闘爆撃機とも)化する試みが、連合、枢軸両陣営で試みられます。戦闘機用の兵装と攻撃機用の兵装を両方搭載できるため、地上攻撃を終えた後は空戦ができると考えたからです。ただ当時は、ピストン(レシプロ)エンジンを使うプロペラ機だったため出力に余裕が持てず、重い爆弾を抱えた的(まと)になる可能性が高いという問題がありました。

 しかし第2次世界大戦も後期なると、2000馬力超えの出力の大きいエンジンも登場するようになり、1943(昭和18)年から登場したアメリカ陸軍航空軍のP-47「サンダーボルト」は、最新鋭戦闘機でありながら攻撃機並みの対地攻撃能力を備える、後世のマルチロール機に繋がる機体となります。

【画像】F/A-18「スパホ」と「レガホ」見分けるポイントはエアインテーク

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