『トップガンM』主役機「F/A」の意味 世界で主流の「マルチロール機」とは?

世界中の戦闘機がマルチロール化

 他の国では、たとえば1978(昭和53)年にフランスのダッソーが開発した「ミラージュ2000」が初飛行しました。こちらも、のちに空戦だけではなく、対地/対艦攻撃も可能なマルチロール機へと発展していきます。

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サーブJAS 39C「グリペン」(Copyright SaabAB/Foto:Ramon Wenink)。

 また、スウェーデンのサーブが開発し1996(平成8)年に運用が開始されたJAS 39「グリペン」は、比較的低価格でありながら制空戦闘、対地攻撃、偵察などを過不足なくこなすということで、スウェーデンだけでなく複数の国に採用されました。2022年現在、日本の航空自衛隊が保有する自国開発のF-2や、調達が進むF-35も、マルチロール機に分類されます。

 もちろん、ひとつの機種に複数の任務を担当させることに、疑問の声もありました。そうしたなか1990(平成2)年に湾岸戦争が勃発すると、そこでマルチロール機の有用性が証明され、以来、現在にいたるまで運用、開発されている戦闘機のほとんどが、マルチロール機化しています。

 疑問の声はいまだ根強く残るものの、各国の金銭的事情を考えると、コスト削減という観点からも、マルチロール機の開発、採用はまだ続きそうです。

【了】

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Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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