ANAついに「737MAXへ更新」解禁 他社で2度の事故もなぜ導入継続? それが「安全で効率的」な理由

ANAが2025年以降にボーイング「737MAX」シリーズの「737-8」を導入します。737MAXは相次ぐ事故で運航停止となった旅客機。同機を導入継続するメリットはどのようなもので、安全性の懸念はないのでしょうか。

「操縦特性補正システム」なにが問題だったのか?

 操縦特性補正システムは、主翼に対向する空気の流れの角度(迎え角)の大きさと機体の速度に応じて、自動的に水平尾翼にある「水平安定板(スタビライザー)」の角度を機首下げ方向に動かす機能です。つまり、一定条件で自動的に機首を下げてくれる機能ということができます。これを判断するのが、機首部分の「迎え角センサー」です。

 2度の事故はこの「迎え角センサー」が、機首が上がりすぎていると誤判断したことをきっかけとした操縦特性補正システムのトラブルにより、パイロットの意思に反して機首が下がり続けたことが原因とされています。

 運航停止期間中に、ボーイング社では同システムの誤作動防止や異常検知機能の追加、迎え角センサーの警告表示の見直し、飛行マニュアルの改定などを実施。2020年12月のブラジルのGOL航空を皮切りに順次運航が再開され、2022年5月時点で46社の航空会社が運航を再開・開始しており、「大きな不具合なく今もなお着実に運航実績を重ねている」(ANA)としています。

Large 20220712 01
ボーイング737MAXのコクピットシミュレーター(乗りものニュース編集部撮影)。

 ANAでは、製造国当局であるFAA(アメリカ連邦航空局)が、改修内容に対する検証を行ったことで、安全性の担保を確認。着実な運航実績の積み重ねもあったことから、当初の予定どおり、737MAXの導入を継続するに至ったそうです。

 ANAによると、737-8、つまり737MAXに乗務予定のパイロットには、操縦特性補正システム機能の理解と習熟を目的とした内容の訓練が義務付けられているとのこと。この訓練についてANAの737パイロットは「操縦特性補正システムは特定条件によって作動するものなので、こういった状況を模擬訓練して、従来機との違いを確認・理解するといったものです」と話します。

 一方、ANAの737MAXの導入継続については、さまざまな声があったのは事実。たとえば737シリーズのライバル機である、エアバスA320を地方路線の主力機にすべきといった意見です。737、A320ともにANAでは使用されており、キャパシティなどもほぼ同等。「737MAX」問題でA320シリーズに統一するという”鞍替え”は検討されなかったのでしょうか。

【画像】世界最長&折れる翼!? 737MAXとともにANAで導入予定のユニーク機とは

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開