【鉄道のある風景今昔】保有車両は7両だけ 庄内交通湯野浜線 終点はひなびた「理想の駅舎」
かつて鶴岡から日本海側の湯野浜温泉に向けて、小さな電車が走っていました。私は廃線の12年後に現地へ赴きましたが、痕跡はほぼなく、唯一見つけられた保存車両も、再訪時には朽ち果てていました。今回は庄内交通湯野浜線のご紹介です。
この記事の目次
・小ぢんまりとした鉄道が、鶴岡から日本海へ向けて延びていた
・「お下がり」だけどありがたかった大型車両
・湯野浜線の痕跡を訪ねて
【画像枚数】全14点
小ぢんまりとした鉄道が、鶴岡から日本海へ向けて延びていた
今回は東北の小私鉄のご紹介です。
1975(昭和50)年まで、山形県・鶴岡から日本海側の湯野浜温泉まで、小さな電車が走っていました。路線名は庄内交通湯野浜線といい、路線延長は12km強、駅数は7、保有している電車は7両だけという、実に小ぢんまりとした鉄道でした。
同線は1929(昭和4)年に、「奥州の山楽郷」とも呼ばれた湯野浜温泉と鶴岡を結ぶ目的で開通しています。終点の湯野浜温泉駅は開業時、仮の駅でしたが、翌年には正式の駅に昇格しています。
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Writer: 宮下洋一(鉄道ライター、模型作家)
1961年大阪生まれ。幼少より鉄道に興味を持つ。家具メーカー勤務を経て現在はフリー作家。在職中より鉄道趣味誌で模型作品や鉄道施設・車輌に関する記事や著作を発表。ネコパブリッシングより国鉄・私鉄の車輌ガイド各種や『昭和の鉄道施設』・心象鉄道模型の世界をまとめた『地鉄電車慕情』など著作多数。現在も連載記事を執筆中。鉄道を取り巻く世界全体に興味を持つ。