「ザク」だけのはずだったのに…『ガンダム』世界の兵器多様化 大戦中の日本も同じ道たどった?

『機動戦士ガンダム』でジオン公国軍は当初、モビルスーツ「ザク」で戦備を統一していました。しかし戦争後半になると「グフ」「ドム」「ゲルググ」など多数の機体が登場します。なぜ種類を増やしたのか、旧海軍を例に考えてみます。

バラエティに富むジオンのモビルスーツ群

 人気アニメ『機動戦士ガンダム』において、ジオン公国軍は当初、人型のロボット兵器、いわゆるモビルスーツ(以下MS)を「ザク」に統一します。「ザクI」「ザクII」の違いはありますが、この両者は武装もほぼ同じで、兵器としての運用構想に差はなく、概ね共通運用が行われていました。

 補給・整備の都合を考えるなら、兵器の種類は少ない方が合理的です。開戦時のジオンはどの艦艇にMSを収容しても、補給・修理・整備が行えたでしょうから、機種統一することで合理的な運用が可能だったと考えます。

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1980年頃のアメリカ空母「キティホーク」の艦上。多種多様な航空機を積んでいることがわかる(画像:アメリカ海軍)。

 ところが、敗戦直前のジオン公国軍は多種多様な兵器を投入するようになりました。主要なMSだけでも「ザク」「ドム」「ゲルググ」と3系統に別れ、それぞれ細かなバリエーションに細分化しています。これでは、部品や武装の共用ができないケースも多々あったでしょう。

 加えて、「ズゴック」や「ゴッグ」などの水陸両用MSや、「ギャン」「ケンプファー」「ジオング」などの試作MSも次々と実戦投入され、さらに「ビグロ」「ザクレロ」「ブラウ・ブロ」「ビグ・ザム」「エルメス」などのモビルアーマー(MA)も使われていました。

 これらは高性能ですが、お互いに共通している部品は乏しいでしょうから、補給や整備面で現場には大きな負担をかけたと考えられます。

 振り返って、第2次世界大戦中の日本やドイツでも、多種多様な兵器が前線に投じられ、時には混乱をもたらしていました。なぜこうなるのでしょうか。

【写真】旧海軍が運用した様々な戦闘機たち

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コメント

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2件のコメント

  1. サイド7で初のガンダムの戦闘があったのが9月中旬。最後の戦闘は12月末。
    「兵器開発は相手があるから」とは言ってもたった3ヶ月あまりで新型機の企画・設計・試作から量産・配備・運用まで漕ぎ着けるのはちょっと非現実的と思います。ガンプラだってもっとかかりそう…
    (「知らんがな」とは言わないで…)

  2. 人気アニメを引き合いに出すなら、事前に作品を視聴するべきかと存じます。グフはドムの護衛機としてデザインされたか?順番が違います。先ずザクが在り、地上戦が必要に成りグフが登場。ザクとグフの運用結果で地上では想定以上に足回りの負担が生じる事が判り、ホバー走行のドムが開発されたのがガンダム世界の歴史です。甲戦型のグフが先に在り、ドムが戦闘攻撃機型にデザインされたと云うなら納得出来ますが(大日本帝国陸軍の一式戦・隼から二式単戦・鍾馗採用の流れに酷似)、ドムの為にグフが造られた訳では無いと断言出来ます。