「ザク」だけのはずだったのに…『ガンダム』世界の兵器多様化 大戦中の日本も同じ道たどった?

『機動戦士ガンダム』でジオン公国軍は当初、モビルスーツ「ザク」で戦備を統一していました。しかし戦争後半になると「グフ」「ドム」「ゲルググ」など多数の機体が登場します。なぜ種類を増やしたのか、旧海軍を例に考えてみます。

「グフ」と「ドム」の違いが判る一例も

「ドム」用の大口径火砲である「ジャイアント・バズ」による重装甲艦艇への打撃力確保、ホバー移動による高い移動性能と敵迎撃時間の減少の両立、重装甲による対空火器への対応により、いうなればロボット型の「戦闘攻撃機」を目指したということです。

 しかし重武装・重装甲では、運動性は低下します。連邦がMSを投入したら、「ドム」の攻撃は阻止されるかもしれません。そこで対MS用MSである「グフ」が開発されたと考えられます。

 グフは電磁ムチである「ヒートロッド」や、速射性の高い「フィンガーバルカン」、ガンダムの重装甲でも切り裂ける「ヒートサーベル」を装備し、高い近接戦闘力を有しているのが特徴です。

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旧日本海軍の零式艦上戦闘機(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)。

 実際、作中において「グフ」は圧倒的な強さを誇るガンダム系MSに対応する運動性を見せますが、一方で「ドム」は、「ガンダム」に踏み台にされ、逆襲を受けています。

 このとき、仮に「ドム」の護衛に近接戦闘能力に優れた「グフ」が就いていたらどうだったのでしょう。問題となるのは、ホバー移動する「ドム」に「グフ」が追従できるかどうかという点ですが、その解決策といえるのがホバー移動可能な「グフ・フライトタイプ」や、航空機「ドダイYS」に「グフ」を搭乗させての戦略移動力確保なのでしょう。

 宇宙空間で「グフ」が運用されないのは、大量の「ザクII」が対MS戦闘に転用できるからで、「ドム」を宇宙空間でも使えるように改良した「リック・ドム」の登場なども含め、「ドム」の本質は戦闘攻撃機だと筆者は考える次第です。

 こうして見てみると、旧日本海軍の戦闘機が「甲戦」「乙戦」「丙戦」の3種類に分岐していったのと同様、ジオン公国軍のMSも戦争後半にいくつものモデルが乱立するようになったのは、ある意味で自然な流れだったと見ることができるのです。

【了】

【写真】旧海軍が運用した様々な戦闘機たち

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

2件のコメント

  1. サイド7で初のガンダムの戦闘があったのが9月中旬。最後の戦闘は12月末。

    「兵器開発は相手があるから」とは言ってもたった3ヶ月あまりで新型機の企画・設計・試作から量産・配備・運用まで漕ぎ着けるのはちょっと非現実的と思います。ガンプラだってもっとかかりそう…

    (「知らんがな」とは言わないで…)

  2. 人気アニメを引き合いに出すなら、事前に作品を視聴するべきかと存じます。グフはドムの護衛機としてデザインされたか?順番が違います。先ずザクが在り、地上戦が必要に成りグフが登場。ザクとグフの運用結果で地上では想定以上に足回りの負担が生じる事が判り、ホバー走行のドムが開発されたのがガンダム世界の歴史です。甲戦型のグフが先に在り、ドムが戦闘攻撃機型にデザインされたと云うなら納得出来ますが(大日本帝国陸軍の一式戦・隼から二式単戦・鍾馗採用の流れに酷似)、ドムの為にグフが造られた訳では無いと断言出来ます。

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