揺らぐ戦車のカタチ メーカーが模索する未来の姿は? 「ユーロサトリ2022」を振り返る

鳴り止まない戦車不要論の傍ら、メーカーはその進化の糸口を探り続けています。ウクライナ侵攻のさなかパリにて開催された兵器展示会で提示された「未来の絵」を見ると、戦車の概念そのものが変化しつつあるようです。

地上戦にも無人兵器の波

 ロシアのウクライナ侵攻中に開催された「ユーロサトリ2022」で見えてきたのは、戦車はこれまでの対機甲戦ではなく、将来の有人/無人プラットフォームが動きまわるネットワーク化された戦場で、戦闘ユニットを指揮統制するコアの役割が期待されているということです。

 ここでいう「有人プラットフォーム」とは戦車など有人戦闘車輌や歩兵のことで、「無人プラットフォーム」はドローンやロボット戦闘車のイメージです。現在でもドローンや無人車に危険性の高い最前線のパトロール任務や砲兵の射撃観測などを担わせていますが、これを一歩進めて同じ小隊なり中隊なりの戦闘ユニットに戦車や歩兵とロボット戦闘車(RCV)を配備し、戦力として協同し戦闘行動する方法が各国で研究されています。

 今回の各社展示内容は、その役割分担を明確にして、有人プラットフォームは「走」「守」「IT」に特化し、無人プラットフォームに「攻」を移管しようというものであり、戦車の概念とはもう違うかもしれません。

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KF41「リンクス」歩兵戦闘車を中心とした、有人/無人プラットフォームの協同イメージ(画像:ラインメタル)。

 これら展示されたデモンストレーターは、メーカーや用兵側の「将来の夢」がいっぱい詰まった展示見本品ですが、昨今のウクライナの状況を見ているとハイテクとともに伝統的な「枯れた技術」も必要です。実戦は、メーカーや用兵側の想定通りには展開しないことも示唆しています。

 結局、未来の戦車はどこに行くのか、わからなくなります。しかしこれらSF未来的な戦車の残骸を想像したくないのは、誰も一致するところでしょう。

【了】

【画像】砲塔デカっ! なKF51「パンター」やEMBTの砲塔装備などを眺める

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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