ボーイング機もエアバス機も…世界中の飛行機を飛ばしている3大エンジンメーカーとは

日本との関係も深いGEは軸流型タービンを開発

 GEの創業者はあのトーマス・エジソンで、かつては家電から医療機器、原子炉、軍事関係まで商う、世界屈指のコングロマリットと呼ばれていました。2022年現在は、全盛期よりは規模が縮小されているといわれますが、ジェットエンジンの供給企業としては重要な位置を維持しています。

 エンジン事業では、戦中からジェットエンジンの重要性に注目していました。1942(昭和17)年10月1日に初飛行した、アメリカ軍としては初めてのジェット戦闘機 ベルXP-59A「エアラコメット」のエンジンである「J31」はGE製でした。同じ1942年にアメリカ初のターボプロップエンジンも開発しています。

Large 220729 jet 02

拡大画像

GEのJ31ターボジェットエンジンを搭載するP-59B「エアラコメット」(画像:アメリカ空軍)。

 戦後ジェット時代の幕開けを予感したGEはリスクを承知で莫大な投資を行い、1948(昭和23)年5月には「J47」を完成させました。このエンジンは軸方向に空気を押し出す軸流型タービンを用いており、現在のすべてのジェットエンジンの原型にもなっています。同エンジンは、F-86「セイバー」などのジェット戦闘機から巨大なコンベアB-36戦略爆撃機まで、幅広い機体に搭載され、総生産数3万5000基にも上り、史上最多生産台数を誇るジェットエンジンです。さらに同年には、ドイツから航空エンジニアのゲルハルト・ニューマンを迎え、可変静翼という超音速の飛行には欠かせない技術を世に送り出すことになります。

 現在でもF-15、F-16が使用している「F110」、F/A-18E/F「スーパーホーネット」やスウェーデンのJAS-39「グリペン」が搭載する「F414」などのエンジンが有名です。

 日本では2021年に全日空(ANA)が導入した新型のボーイング787をはじめ、日本航空(JAL)のほか国内航空会社の旅客機、航空自衛隊のF-2戦闘機ならびに政府専用機にもGE製およびライセンス生産のエンジンが搭載されています 。ほか、民間機としてはホンダジェットのエンジンも同社が開発に協力しており、そういった面では日本と関係の深い企業といえます。

【画像】ロールス・ロイス製全電動飛行機「スピリット・オブ・イノベーション」の駆動部など

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 日本の国産エンジンに頑張ってほしい。