その名も「空飛ぶ親善大使」特別なユーロファイター戦闘機は来日するか 関係者に聞く秘話
塗装では再現ほぼ不可能な細かいデザイン
8月末現在、ドイツ空軍部隊はオーストラリア北部にあるダーウィン空軍基地におり、同国で開催されている「ピッチ・ブラック2022」に参加しています。27日には地元住民へのパブリックイベントとして開催された、ダーウィン基地の公開イベントにも参加し、前出の「エア・アンバサダー」が注目を集めていました。そこで、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)はパイロットや整備員に、この機体について色々聞いてみました。
まず、この特別塗装機、どういう風にスペシャル・マーキングを施したのかという点です。ハナシによると、これは正確には塗装ではなく、図柄を印刷した特殊なフィルムを張りつけているとのこと。隊員たちは「ラッピング」と呼んでいましたが、これは民間旅客機などではお馴染みの手法で、ドイツに限らずヨーロッパの軍用機が特別塗装をまとう際も主流になりつつあります。
印刷のため、塗料を使うよりも複雑な図形を綺麗に再現できるという利点があります。「エア・アンバサダー」の意匠も単純な図形ではなく、複雑なグラデーションや国旗の皺などを多く描いた複雑なものとなっており、それが大きな戦闘機のほぼ全面に渡って表現されています。
同じデザインを、エアブラシなど使って塗装で再現しようとするのは、作業時間と手間を考えるとほぼ不可能であるため、このデザインはフィルムによるラッピングだからこそ実現できたといえるでしょう。
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