長野県側から「南アルプストンネル」掘削 リニア新幹線“長野工区”順調! 静岡到達にめど

バスで”迷宮”を探索

 普段は工事用車両しか通れないこれら坑道を、今回はバス車両で通過しました。坑口から現場までは10分ほどの道のりですが、果てしない奥へ進んでいるかのよう。坑道の脇には、発生土を送り出すベルトコンベアが続いているのが目に入りました。

 掘進現場はまるで昼間のような明るい状態に保たれていました。安全対策のため照明を複数配置しているとのことですが、闇の中を掘進部のみ照らしながら掘り進む典型的なトンネル工事のイメージではありません。

 なお、このあたりの地盤は粘板岩が中心で、湧水も少ないそうです。湧水が多い現場はポンプで常時汲み出す必要もありますが、こちらは「にじみ出てくる」程度で、比較的やりやすい現場とのこと。ただ、静岡県境に近づくにつれて山も険しくなり、土被りも1400mを越えるため、「土を見ながら慎重に掘削を進めていきたい」と話します。

 現在、南アルプストンネルでは3か所で同時に掘進中。1班10人、1日2班の計60人体制で工事が行われます。トンネル内は気温が20度周辺と一定で、夏は涼しく、冬は暖かいそうです。

 工事担当部長の古谷佳久さんは「ここまで着実に工事が進められたのは地元の方々や大鹿村、長野県ほか関係者のご協力やご理解をいただいたおかげです。今後も地域との連携と環境保全を重視し、安全第一で取り組んでまいりたい」と話しました。

【了】

【「南アルプストンネル」掘削現場の様子】

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