「一匹狼」「孤高のパイロット」はいらない!? 空自F-2部隊指揮官に聞いた多国間訓練の実情

世界17国の空軍兵士らで行われた大規模演習「ピッチ・ブラック22」。今回初めて参加した日本は、航空自衛隊のF-2戦闘機5機などを派遣しました。演習ではいったいどのようなことを行っていたのか、現地で指揮官に直接話を聞きました。

ミッションクリアできるかが最大の目的

「訓練は基本的に『ブルー・エア』と『レッド・エア』に分かれて行います。本訓練の基本的な認識としてはブルーが友軍、レッドが敵を意味しており、2つの勢力が想定したシナリオや状況に沿って模擬的に任務を行います」。

 戦闘機の訓練というと、操縦や搭載装備の操作などをイメージすることが多いのではないでしょうか。しかし、それらはあくまでも戦闘機の戦いにおけるひとつの手段にすぎず、本来の目標は空中戦全体の大局的な部分にあります。訓練ではただ戦闘機を操縦するのではなく、現実の状況に即した戦闘シナリオが作られて、それに沿って味方と敵の勢力に割り振られて模擬的な空中戦が繰り広げられるそうです。

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ダーウィン基地に展開した航空自衛隊第7航空団第3飛行隊のF-2戦闘機(布留川 司撮影)。

 また、「ブルー・エア」と「レッド・エア」では、割り振られた勢力によって戦い方も変わるといいます。「ブルー・エア」となった場合、F-2戦闘機はその能力を最大限に発揮して戦うことができますが、「レッド・エア」の場合は想定されたシチュエーションに応じた飛行・戦い方をしなければなりません。つまり、そこではF-2戦闘機ではなく、訓練で想定された状況を作り出すために全く異なる戦闘機の敵役になりきる必要があるのです。

 これは今回の多国間訓練の目的が、各国の戦闘機同士の競い合いという単純なものではなく、参加国と共同で大規模な航空作戦を行い総合的な戦闘能力の向上を目指しているからだそう。そもそも戦闘機パイロットが目指す最終目標は、敵機を撃墜するといった個人視点の勝利ではなく、自分が所属する勢力の総合的なミッションの達成にあるからです。それは今回の多国間訓練だけでなく、すべての軍用機の訓練にも当てはまることだといえるでしょう。

【豪州の空を飛ぶ空自機】オーストラリア空軍のF-35Aとコラボする空自F-2戦闘機ほか

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