もはや別形式!? 東急目黒線5080系 相鉄直通8両化であちこち変化 車両ごと内装バラバラ!

元大井町線の車両も混在!?

 そして5080系のうち、5189編成と5190編成の4号車は、大井町線の急行列車で使用されていた6000系電車の転用車両です。なぜ転用されたかというと、同線で有料座席指定サービス「Qシート」が導入された際、6000系の一部に「Qシート」車両が連結され、差し替えられた車両が余剰となったから。これは廃車されることなく改造の上、5080系の新しい中間車として活用されたのです。特徴は座席の色で、大井町線時代のオレンジ色そのままで目黒線にて使われています。

従来の5080系にも変化

 このほか、8両編成化を前にして従来の5080系にも手が加えられています。客室の設備では、TIPと呼ばれるドアの上の車内表示器が一新され、液晶画面のサイズが15インチから17インチの横長タイプに交換されました。

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5080系の運転台。相鉄線直通に備えて一新されている(柴田東吾撮影)。

 また、運転台も交換され、従来は速度計の左側にあった電流計や圧力計が右側に移動し、液晶画面が2画面に増設されています。このほか、乗務員室に搭載する機器が増加したためか、乗務員室と客室を仕切る壁にある窓が3つから2つに減っています。

 また5181編成と5182編成は、車内表示器に液晶画面ではなくLEDを使用していましたが、液晶画面に改められました。あわせて、字幕式だった前面の種別表示器と、3色LED式だった行先表示器は、ほかの5080系と同じフルカラーLEDに交換されました。

 5080系の8両編成化では、同じ形式のまま前回の製造から10年以上も間を空けて増備されました。一見すると外観は同じでも、従来車と増備車では細かな違いが見られます。時代のニーズに合わせ、改良を盛り込んだためといえるでしょう。

【了】

【写真】1本の列車と思えないほど内装バラバラになった東急5080系

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Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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コメント

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2件のコメント

  1. 地味にどうにかして欲しいのは、東急の車輌の車内スピーカーの位置。
    座席の真上に配置するのはやめてほしい。
    ボリュームが大きいときは頭ごなしに怒鳴り付けられてる気分になる。
    JRなどは天井の中心線上に置いてるのに。
    9000系あたりからこの配置だが、クレームはないのだろうか。

  2. 車体も座席もドアも窓も形状が1両1両いちいち異なる、雑多な形式の気動車が無造作につながれていた国鉄ローカル線に馴染んだ身にとっては、全車ロングシートで揃っていて床や座席の装飾が細かく違うくらいでは、「内装バラバラ」という言葉から思い浮かべるイメージとは程遠いです。