『ガンダム』登場メカ最大のナゾ!? 変顔「ザクレロ」の奇抜デザイン上層部なぜOKしたか
シャアもコメントした「ザクレロ」の存在
「試作段階で放棄されたMA」であれば、実戦投入できる仕上がりにはならないでしょう。にも関わらず、「ザクレロ」は「ガンタンク」を撃破し、アムロが搭乗した「ガンダム」をも損傷させる活躍を見せています。つまり、かなり高性能な機体だったと考えられます。
なお『機動戦士ガンダム』第32話で、主要キャラであるシャアが、ジオン軍のマリガン少尉に対して「聞いておらん! そんなMAは」と、「ザクレロ」の存在を否定する言葉を吐いています。その前の第31話で、シャアはトクワンより、「ビグロ」と試作MAについての説明を受けていますが、「ザクレロ」については言及していません。
自分が指揮する機動巡洋艦「ザンジバル」の搭載戦力をシャアが把握していないというのは不自然ですから、「ザクレロが軍機扱いなので言及したくない」ということだったのではないでしょうか。
そう考えると、「ザクレロ」のあの外見自体が地球連邦軍を欺く偽装であり、MAとしての本来の設計(外見)があったのかもしれません。
ともあれ、「ザクレロ」の武装付きアームや、メガ粒子砲、後部の大推力スラスターなど機体構成要素は、後のMA「ビグロ」「エルメス」にも踏襲されたと言えなくもなく、そう考えると試作MAとしての役割はまっとうしたとも言えるのではないでしょうか。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
アニメと現実の区別がついてない奴がいて草