西九州新幹線の開業で特急激減&半分非電化に 「長崎本線」の今後 佐賀は割を食うだけ?

鹿島市~佐賀市は電化維持! 学区制自由化にひと役買うか?

 長崎本線は通勤・通学での普通列車の利用も多く、鹿島市街地の南端に近く自転車置き場が充実した肥前浜駅の朝晩の様子は、なかなか慌ただしいものです。なお肥前浜駅は特急列車の行き違いのために2面3線のホームを持ち、折り返し運転に対応できるとあって、当初は肥前山口駅~肥前鹿島駅間だった電化の維持区間はこの駅まで追加となりました。

 肥前鹿島駅から佐賀・鳥栖方面に向かう普通列車は、新幹線開業前、朝は1時間あたり3本、日中でも1~2本の運行。夏休み中にもかかわらず朝6~7時台には肥前鹿島駅で30~50人、肥前浜駅で10~20人程度の利用が見られました。JR九州は「新幹線開業後も23年間は現行水準を維持する」としており、肥前浜駅は折り返し駅として、まだまだ活用されそうです。

 なお佐賀県は2023年度からの学区制度撤廃を控えており、もし新たな通学需要が生じる場合、長崎本線は対応にひと役買うかもしれません。これまで、鹿島市・白石町は西部学区(エリア内には鹿島高校・白石高校・太良高校など)に属し、佐賀市内(東部)への進学は、定員の20%程度の学区外枠での進学か、一部の学部や私立高校への進学に限られていました。

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電化・非電化区間の境目となる肥前浜駅(宮武和多哉撮影)。

 しかし来春からは全ての規制が撤廃され、鹿島市から普通電車で30分少々(直通の場合)の佐賀市へ進学するハードルは下がります。現状でも前述の「学区外枠」で佐賀市内の公立高校(佐賀北・佐賀西など)に進学する生徒も多いそうですが、肥前鹿島~佐賀間は現状のダイヤだとあまり通学に合った列車が少ない点が課題でした。

 一方で肥前浜から南、太良・肥前大浦方面はもとより運行が少なく、普通列車は朝晩でも1時間1本程度、昼間は13時台に1往復があるのみ。近年でも午前11時台の運行削減や4両→2両の減車が行われるなど、厳しい状況が続いていました。現状でも肥前鹿島~諫早間は定期特急の停車駅がないので、この状況は非電化となっても大きく変わることはなさそうです。

【路線図】西九州新幹線と長崎本線の“非電化”になる区間

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コメント

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1件のコメント

  1. 武雄温泉も嬉野温泉も佐賀県なので、
    佐賀が割を食うというよりは佐賀県内で有利不利になるところがあるというべきでしょうか。