中国の諜報機関も注目!? 『トップガン』登場の黒い実験機 米エアショーで展示へ

中国の人工衛星もルート変えて追跡

『トップガン マーヴェリック』に対するスカンクワークスの協力は本格的で、全体の規模は不明であるものの、同社WEBサイトによればコンセプトデザイナー、整備士、製造監督、実物モデルを作るエンジニアなどが参加したとのこと。ゆえに、デザインから製作までの全工程に実機開発のエッセンスが注ぎ込まれたといえるでしょう。

 こうして作られた「ダークスター」は映画撮影のために用意された、いわばモックアップで飛ぶことこそできませんが、サイズは実際の航空機と同程度の実物大であり、トム・クルーズが乗り込んで撮影できるよう、コックピット部分も実機と見紛うほど精密に作り込まれているそうです。

Large 221014 darkstar 02

拡大画像

ロッキード・マーティンの名物部門スカンクワークスが協力して製作された「ダークスター」(画像:エアロスペース バリー エアショーの公式Twitter〈@AVAirShow〉より引用)。

 機体の完成度は映画制作陣を満足させるレベルであったため、作品にリアリティーを持たせるのに十二分の働きをしましたが、その完成度の高さから以外なところの注意も引きつけたといいます。

 本作のプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーがインタビューで話した内容によると、中国の諜報機関はこの機体を本物の新型機と思ったのか、「ダークスター」を宇宙から偵察するために、撮影が行われていた海軍の兵器試験場に人工衛星のルートを変えてきたとのこと。このエピソードが本当であれば、「ダークスター」の完成度は海外の諜報機関すら欺くほどだったといえます。

 架空機でありながらも多くの人々の興味を引いて興奮させた「ダークスター」。その実物を見られるのはとても貴重な機会といえるでしょう。もし、今回のエアショーで好評を博したら、2回目、3回目の公開が行われるかもしれません。

【了】

【エプロンに駐機】すぐにでも飛び立ちそうな雰囲気の架空機「ダークスター」

テーマ特集「『トップガン』の戦闘機大特集 F-14やF/A-18…徹底解説!」へ

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 昔あった映画「ステルス」の機体をベースに作った張りぼてじゃないの?