「ワンショットライター」は嘘!? 敵の評価も高かった旧海軍「一式陸攻」ホントの性能は?

旧日本海軍が開発した一式陸上攻撃機。防御力が低く「ワンショットライター」などと揶揄されたといわれますが、それは正しいのでしょうか。同世代の様々な機体と比較して、同機が世界的にどのレベルだったのか推察してみます。

空母艦載機よりも高性能だった陸攻

 九七式艦上攻撃機の前期型である一号の場合、最大速力は377.8km/h、航続距離は過負荷状態で1993km、実用上昇限度は7640m。固有武装は7.7mm旋回銃1門、搭載量は800kg魚雷1発です。

 対して九六式陸上攻撃機二一型の場合、最大速力は373.2km/h、航続距離は過負荷状態で4379km、実用上昇限度は9130m。固有武装は7.7mm旋回銃3門と20mm旋回機銃1門、搭載量は800kg魚雷1発でした。

 2者を比べてみると、後者は速力で対等、航続力で2倍以上、実用上昇限度でも勝り(高高度を飛行すると、爆撃では敵戦闘機の迎撃が間に合いにくい)、防御武装も5~6倍は強力になります。ちなみに、こうした性能差から旧日本海軍は大型空母への陸攻搭載を真剣に検討していますが、実現はしていません。

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空母搭載用として開発された旧日本海軍の九七式艦上攻撃機(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)。

 旧式の九六式陸上攻撃機でこの差ですから、その後継である一式陸上攻撃機では、さらに性能が強化されています。同時期のイギリス双発雷撃機「ボーフォート」、イタリア双発雷撃機「SM.84」とも比べてみましょう。

 まず、一式陸上攻撃機一一型は最大速力444km/h、航続距離2852km(正規)、5358km(過負荷)、実用上昇限度9520m。武装は7.7mm旋回銃3門、20mm旋回機銃2門で、800kg魚雷1発を積むことができました。

 対して、イギリスの「ボーフォート」の場合、最大速力は427km/h、航続距離は2575km、実用上昇限度は5030m。武装は7.7mm旋回銃4門で、搭載量は680kg爆弾または魚雷1発でした。

 一方、イタリアのサヴォイア・マルケッティSM.84は、最大速力432km/h、航続距離1830km、実用上昇限度7900m。武装は12.7mm旋回銃4門で、爆弾1600kgまたは魚雷2発を搭載できました

 この3機種を比べてみると、日本の一式陸上攻撃機は、他国の双発雷撃機と比較しても飛行性能については、おおむね勝っていたと捉えることができます。搭載量を含む攻撃力ではイタリアのSM.84にこそ劣るものの、これは旧日本海軍が1.5t魚雷の開発に失敗したためで、機体設計の問題ではありません。

【写真】編隊飛行や終戦後の連絡飛行etc、さまざまな一式陸上攻撃機をイッキ見

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コメント

4件のコメント

  1. 防御機銃として 7.7ミリは 文字通りあっても無きに 等しいものであるよ。 その点を この記事の筆者は 知らねばならない。      ーーー佐賀人

  2. ちなみに開発前の会議において設計者側が十分な防御と航続距離を両立するためにエンジンを4つ搭載する案を出したら「だまって指定された通り(※2つ)につくれ!」と軍に怒鳴られた話がある。

  3. "ガダルカナル島を巡る攻防戦では一式陸上攻撃機は265機が出撃し、撃墜されたのは25機"はさすがにウソでしょう?。ちょっと数えただけで第一次ソロモンで23機、第三次ソロモンで19機。265機も多すぎでは。出撃回数✕参加機数ってこと?それなら損耗率の計算はおかしい。ガ島だけでなくソロモン諸島全体ということなら被撃墜機数ももっと多いですよ。

    • これは正しくは

      1942年9月~11月において「地上目標攻撃のためガ島へ飛来した一式陸攻の数」

      非撃墜の方は「上記で出た損失の内、味方勢力圏までたどり着いて不時着等を除く数」です。

      数字も間違っており26機被撃墜です。

      引用元の本があるのですがそこから引用する際数字がずれており

      25/265だと9.4%なのに、割合は正しく9.8%になってる辺りも凡ミスです

      元の記事は概ね、対艦攻撃では大損害出たけど、対地攻撃はBoBと変わらんか少ないくらいだよ

      というものなのですが、言葉を省略してしまったために誤解を生む文章になっていますね

      引用としながら省略した前後の文章があると大きく意味が変わる物もあるので

      他人の研究成果は誤解させないよう伝達したいものです。参照元を明らかにしないのも良くないですね。

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