「クララが立った」を駅で体験? 歩行補助ロボでバリアフリーなるか 背景にある危機感
なぜ歩行補助ロボ? そこにある危機感
東急電鉄が今回、この歩行補助ロボットの活用を思い立ったのは、高齢者など歩行に負担がある乗客が増加する一方、それを補助する鉄道事業者側の人材の不足が進む、という予測からでした。
鉄道駅にはその構造上、階段や段差のほか、列車とプラットホームのあいだには隙間など、様々なバリアが存在します。鉄道各社は設備面のバリアフリー化を進めているものの、介助が必要な場面が多々あるのも事実です。
そこで同社は、歩行補助ロボットの研究・開発を行う信州大学内のベンチャー企業「Assist Motion」と協同し、駅での活用ができないか模索を始めました。Assist Motion側も、公共交通機関での活用における知見を収集したいといい、両社の思惑が一致したのです。
「テクノロジーを活用したバリアフリーをより一層推進していく必要性を認識しています。ユニバーサルなサービスの拡充を通じ、あらゆるお客様が容易に快適に利用できる鉄道サービスを目指します」(東急電鉄 広報)
なお、実証実験ではモニターへアンケートを行うほか、クララ自身が蓄積した歩行データを解析し、駅や列車内といった環境下でどのようなデータが得られたかを検証します。またクララを駅に常備し、申し出があった際に貸し出すのかなど、運用方法についても検討するとしています。
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