“鉄道の後始末”続くニュータウン 桃花台のピーチライナーなぜ15年で廃止 地域は呪縛から解放?

示されなかった「鉄道を作ってみた」の“次”

 そして小牧市や県が進めたニュータウン周辺の開発のあり方も、鉄道の存在を忘れたかのようなものでした。ピーチライナー沿線は学校や集客施設から外れ、途中駅の周りは土地区分もが「工業地域」のままで、誘致されたのは鉄道利用に結びつきにくい物流企業ばかり。いずれも駅から1~3kmほどの距離にある名古屋経済大学、尾関学園高校(現・誉高校)、小牧総合運動場などをめぐり、ピーチライナーの経営の悪化がかなり進んでから鉄道の利用促進策が検討されたものの、「時すでに遅し」状態でした。

 建設当初の新聞・ニュースや各種資料を見ても、「桃花台~小牧駅に鉄道を建設してみた」の“次の一手”(集客策や宅地→駅への輸送など)を検討した形跡がほぼなく、前出した2003(平成15)年の小牧線・地下鉄上飯田線の直通開始と同時に運賃値下げ(乗客は増加するも経営が全く好転せず)など、開業後の動きも場当たりなものが目立ちます。

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名鉄小牧線の列車。味美駅にて(宮武和多哉撮影)。

 加えて、運行システムが採用例の少ない規格(VONA)だったこともあり、設備の更新時期を乗り越えられず廃止に至りました。

 なお小牧市ではこの他にも、ピーチライナーの開業に合わせて整備した小牧駅西口のペデストリアンデッキ(空中回廊)が老朽化により近年撤去されたばかり。こちらも集客の多い複合施設「ラピオ」から駅まで つながっておらず、通過人数が1日200人以下という利用実態も問題となっていました。

【地図/写真】現役時代のピーチライナー 特殊な線形もくっきり地図に

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コメント

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3件のコメント

  1. 元々高蔵寺まで延伸する予定が中止になった事も一因ですね。
    高蔵寺まで延伸すれば、桃花台→高蔵寺→名古屋となり乗り換え1回で名古屋に行けたはず。

    利用者減による値上げが一番大きな要因だと思います。
    たった15分に380円も払えません。

  2. ピーチライナーはすべてが中途半端で結果として誰からも望まれていなかったように思えます。
    もし仮にピーチライナーが普通のヘビーレール路線として高蔵寺駅まで建設され、名鉄犬山線の小牧支線を廃止せずに残していれば
    直通運転で岡崎~高蔵寺~小牧~岩倉~一宮という愛知大環状線が実現して武蔵野線的ポジションを得られたことでしょうが
    これは夢のまた夢でしょうね (こうなった場合は城北線~あおなみ線~南方貨物線の存在意義がなくなりますが)

  3. 春日井市への乗り入れに反対した小牧市商店街は滅ぶべき